熊野本宮大社の駐車場から出ると、すぐに雨が降りだしました。昨日に続き、不安定な天候です。今日の夜だけは降らないでほしいのですが。
さて、次はちょっと気になったところがあったのでそこに向かいます。旅行の前に行った美容院においてあった雑誌にのっていて、ぜひ行ってみたいと思った「瀞ホテル」です。
ホテルといっても、ホテル自体はだいぶ前に廃業しており、今はその建物を利用してcafeとして営業しています。
ところが、熊野本宮大社から瀞峡ホテルに向かう国道169号はかなりの難路で、舗装こそされていますが実質林道といってもよい、細くて勾配、カーブの連続する道が続きます。しかも結構大型ダンプが行きかうので、なかなか気を遣います。
新しい道路の工事は進んでいるようなので近いうちに解消されるのでしょうが、とにかく思ったより疲れました。
やっと林道区間が終わり、長い田戸トンネルを抜けるとすぐに左折、すぐにもう二度左折して今来た道の下をくぐり、谷へと下っていく道を進みます。
しばらく何もない道を進み、本当にこの道でよいのかと心配になる頃、突然郵便局と駐車場が現れます。
その先にバス転回用の行き止まりの広場があり、そこには派出所もあります。
その広場の一角に、下へと降りる階段があります。
その階段を降りると、なんともレトロな建物があります。これが「旧瀞ホテル」です。
さらに階段を降りると、
玄関に到着します。
ホテルの前には瀞峡の絶景が広がります。
奥に見えるのは本当は今日乗ろうと思っていた瀞峡めぐりのウォータージェット船。ここが折り返し点で、上陸して約20分休憩します。
なぜこんな山の中の何もないところにホテルや郵便局があるのかというと、昔、川を下って材木を輸送していたとき筏師のための宿だったとのことです。ほとんどが両岸崖の北山川で、今では観光船が利用している浜があるこの地は貴重な休憩場所だったのでしょう。
大正時代に建築されたという建物。二階がカフェの客席となっており、一階はギャラリーになっており、地元作家の小物、昔の写真、ポスター、雑誌等が置いてあります。
予約なしで行ったため、満席で少し待つことになりましたが、一階を見ているだけでも退屈することはありません。
この扉の向こう、吊り橋の先に別館があります。吊り橋は今はわたることはできませんが。
このホテルのある場所は奈良県、和歌山県、三重県の三県の境にあり、今いる本館は奈良県ですが、向こうの別館は和歌山県になります。
窓の外にはこの絶景が。対岸は三重県です。
席が空いたとのことなので、二階に向かいます。
回廊の巡る、開放的な座敷が客席となっています。
今日は夕食が早いので、少しだけ食事をします。
マフィンとスープのセット。マフィンは甘いものではなく、ハムと野菜のマフィンです。
急に強い雨が降ってきました。
ここは建物も立地も素晴らしいです。ここまで来る道のりはしんどいもので、また同じ道を、雨の中帰るのも大変なのですが、ここまで来てよかったと思います。素敵な場所を見つけました。
<その5に続く>