本日の宿は「御宿まるや」、下社秋宮から徒歩数分のところにあります。
正面の止まれの看板のところを横に通っている道が国道142号、左に行くと和田峠方面、左が下社秋宮です。
こちらの道は本来の中山道、昔の中山道は左から来てこの交差点で向きを変え、木曽路へ向かいます。
交差点から右は甲州街道、江戸を出た旧五街道が合流する非常に珍しい交差点になります。他には東海道と中山道が合流する草津宿しかありません。
このあたりが中山道下諏訪宿の中心で、正面奥の白い建物のあるあたりが本陣、まるやは脇本陣だったということです。
下諏訪宿は中山道で唯一温泉が湧いており、両隣の宿に行くには和田峠、塩尻峠を越える必要があり、さらに諏訪大社もあり甲州街道との合流点ということで、昔はさぞ賑わったのでしょう。
今でもこの周辺は宿場町の雰囲気を残しています。
まるやの建物も歴史ある建物に見えますが、平成五年に昔の様式で復元されたものです。ただし内部はアルミサッシになっていたり、冷房完備の近代的旅館で、今の時代に快適に過ごせるようになっています。
しかし、非常に雰囲気はあります。よくある民芸調や古民家移築の宿とは異なる、脇本陣としての格調高さを感じます。そういえば、温泉街ではない町中にある温泉宿、というのは全国でも珍しいのではないかと思います。
部屋は旧脇本陣の「上段の間」の間取りと造りを参考にしているということで、 4間合計24畳の広さとなっています。
8畳の主室と6畳の二之間。
7畳の入側。
入側の障子を開けると庭園を見ることができます。かなり立派な庭園です。
このほかにトイレ、洗面所があります。部屋に冷蔵庫、金庫はありません。洗面所のアメニティは最低限、化粧品や綿棒はありません。
「御宿 まるや」は客室は4部屋あり、全て同じ造りですが、宿泊客は一日3組のみです。
部屋に通されてから宿帳を記入し、お茶が出されます。
お茶うけは当然、新鶴本店の塩羊羹です。
部屋に荷物を置いて少し休憩した後、下諏訪散策に向かいます。
<その5に続く>