車山高原からビーナスラインを西に進みます。
途中、場所によっては道路沿いのニッコウキスゲが満開で、非常にきれいでしたが、駐車場が一杯で車を停めることができません。道路は交通量は多いものの渋滞はなく、順調に進みます。
霧ヶ峰の交差点を過ぎると交通量も少なくなり、八島湿原駐車場に到着。駐車場は満車に近い状態でしたが空きはあり、待つことなく車を停めることができました。
湿原は道路の反対側にあり、道路の下の通路を通っていくことになります。通路の両側には鹿除けのネットがあります。そして、ペットを連れて湿原に入ることは禁止されています。
これはここに限らず全国どこの自然保護地域でも同じですが、理由はペットの毛に付着した種子や虫が持ち込まれたり、中で排泄でもされると、排泄物中の寄生虫が生態系に影響する恐れがあるためです。
自然の生態系を保護するためには非常に大切なことです。
ところで、先ほどの車山高原では犬を連れた人を多く見かけました。多分ペット同伴が許可されているのでしょう。最近どこの観光地でも犬を連れている人を良く見かけます。他人の行動をとやかく言うつもりはありませんが、個人的にはNGです。
中には歩きたがらない犬を引きずって山頂へ登っていくおばさんがいたりして、これはもう動物虐待ではないかと思うのですが。
大体、犬が車山に行きたいとか山頂の絶景を見て感動するわけはなく、犬を連れて旅行に行くのは完全に人間のエゴ以外の何物でもないと思います。
まあ、ペットを”家族”という人達とは永遠に分かり合うことはできないと思うので、先に進みます。
道路下の通路を通り、少し進むと広場に出ます。
ここからは木道が整備されていて、湿原を散策することができます。一周すると90分とのことですが、時間も体力もないため、途中まで行って引き返すことにします。
先ほどの車山山頂のドームが見えます。
ここでもニッコウキスゲが見ごろです。
八島ヶ池と湿原。緑の平らな部分が湿原です。
ニッコウキスゲだけでなく、いろいろな花が咲いています。
蝶もたくさんいます。中には汗を吸いに来るのか、腕にまとわりついてくる蝶もいます。
野鳥は、声はすれども姿は見えず。このような場所は、もっと人の少ない静かな時に訪れたいところです。
ところで、ビーナスライン、八島ヶ原湿原というと、新田次郎氏の小説「霧の子孫たち」を思い出さずにはいられません。
ビーナスラインの建設に反対する地元の人々の物語ですが、反対活動の結果この湿原や御射山遺跡をルートから外し、保護することに成功します。しかし、変更後のルートがもともとのルートで、建設中止を避けるためにわざと遺跡や湿原を通るルートを提示して妥協したように見せたのではないか、ということに最後で気づくというストーリーで、非常に考えさせられる内容です。
ビーナスラインでどれだけの自然が破壊されたのか、知る由もありませんが、このおかげで車山の絶景や八島ヶ原湿原に手軽に来られるようになる恩恵を受けることができるわけで、難しい問題だと思います。
少なくとも、できてしまったものは使うべきとは思いますが、可能な限り自然を保護する対策が必要だと思います。
<その3に続く>