ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

エアベンダー

2010-07-10 14:35:21 | あ行
M.ナイト・シャマラン監督
好きなんだけどなあ。


「エアベンダー3D」60点★☆


氣、水、土、火の4つの国が
調和を保っていた世界で

火の国が反乱を起こし
世界は戦火に包まれた。

ある日、水のパワーを操る少女カタラ(ニコラ・ペルツ)は
謎の少年アン(ノア・リンガー)を見つける。

アンは氣、水、土、火の4つのエレメントを
自在に操ることのできる
唯一の“選ばれし者”だった。

アンはその運命に従い
世界の調和を
取り戻すことができるのか?


あの、シャマランが
こんなベタベタなスペクタル劇を作るとは!
ってことで
いやでも注目度満点の作品。

しかし、相当に
「ギャフン」だったんですねえ。


第一のギャフン
続きものだったこと。


確か「第一章 水」で始まったので
もしかしたら土、火、氣と
あと3作、あるかもしれない(笑)

まあ103分と、ほどよい長さだったので
怒りはわきませんでしたが。
続き作るの?ほんとに?


そして見どころの
や火を自在に操る
いわゆる超能力合戦の映像。

あの「アバター」を生んだ
スタジオILMが担当し
さすがに見応えあることはあるんですが

期待したほど“ザ・3D!”じゃなかった。
画面が暗いし

アクションも
なんだかFFシリーズの「スロウ」
かかった感じっていうんですか。

のろい・・・。


なにより最大のギャフン
完全に見どころを“映像”だけにした
ラフすぎるストーリー展開でしょう。


すべて少女カタラの語りで
物事が進行するので
国語の時間にクラスメイトのヘタな朗読を
延々と聞いてるみたい。

もうギャフンを通り過ぎて
ポカーンですよ。


たぶん、シャマラン監督はもう
物語を丁寧に構築することが
いやんなちゃったんだと思いますね。


「ヴィレッジ」とか「サイン」とか
私は割と好きなんですが

ああやって
すんごい丁寧に仕掛けて仕掛けても

世の中から
「なんじゃい、あのオチ!」と
相当な不評を買ってしまった。

だからもう
世界作りはいいや、って。

来日した監督、相当にごきげんな様子だったし
完全にふっきれた感じもしました。


救いは
アン役の少年がかわいらしかったこと。
選ばれし者にふさわしいカリスマ性がありました。

12歳にして、テコンドーの黒帯所持者だそうで
今後もこの世界観を
がんばって担いでくれるかもしれません。


ところでシャマラン監督
「映画には宮崎駿からの影響が入ってる」
と舞台挨拶で言っていまして

考えに考えて
ふと思い当たりました。

アン少年にくっついてる
キツネザルという機敏な生き物がいるんですが

あれ
「ナウシカ」のテトか!


★7/17から全国で公開。

「エアベンダー3D」公式サイト
コメント (2)
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