雪山とオペラと瑛太。そしてピュ~ぴる。
それだけで絵になってはいるんですけどねえ。
「モンスターズクラブ」41点★★★
凍てつく雪山の山小屋で
一人暮らしている良一(瑛太)。
薪を割り、獣をしとめて食事をし、
寝床では夏目漱石を読む。
そんな彼の使命は腐敗した現代社会に反旗をひるがえし、
産業テクノロジー社会のシステムを壊すこと。
そのために彼は小屋で爆弾を作り、
企業などに送りつけていた。
しかし、孤独な生活のなかで
彼は次第に幻影とも現実ともつかないものを見るようになり――?!
1978年から18年間に渡って
全米を震撼させ続けた爆弾魔ユナボマー。
「産業社会の破壊」を目的にしていた彼に
インスパイアされたという物語です。
凍てつく雪山での孤高の生活という
舞台装置はすごくよく、
いまも頭にシーンが焼き付いている。
瑛太のナレーションによる
現代産業社会に反発する青年の内面も、
自然に耳を貸せるものでした。
ピュ~ぴるの登場も、
彼じゃなきゃ!という感じでいいし。
しかし、
死者の幻影らが登場すると陳腐でがっかり。
主人公は混乱していくし、
さらに窪塚洋介演じる、主人公の兄の言ってることが
まったくもって意味不明!(苦笑)
72分という短さも、
この尻切れトンボでは納得できないでしょう。
がっくりしました(苦笑)
聞けば元々ある企業のPR用から始まった企画らしい。
これで1800円払ったら、正直泣くに泣けない。
もう少しブラッシュアップするか、
別の形態として見せたほうがよかったのではないでしょうか。
★4/21から渋谷ユーロスペースほかで公開。
「モンスターズクラブ」公式サイト