ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

モンスターズクラブ

2012-04-22 20:14:13 | ま行

雪山とオペラと瑛太。そしてピュ~ぴる。
それだけで絵になってはいるんですけどねえ。

「モンスターズクラブ」41点★★★


凍てつく雪山の山小屋で
一人暮らしている良一(瑛太)。

薪を割り、獣をしとめて食事をし、
寝床では夏目漱石を読む。

そんな彼の使命は腐敗した現代社会に反旗をひるがえし、
産業テクノロジー社会のシステムを壊すこと。

そのために彼は小屋で爆弾を作り、
企業などに送りつけていた。

しかし、孤独な生活のなかで
彼は次第に幻影とも現実ともつかないものを見るようになり――?!


1978年から18年間に渡って
全米を震撼させ続けた爆弾魔ユナボマー。

「産業社会の破壊」を目的にしていた彼に
インスパイアされたという物語です。


凍てつく雪山での孤高の生活という
舞台装置はすごくよく、
いまも頭にシーンが焼き付いている。

瑛太のナレーションによる
現代産業社会に反発する青年の内面も、
自然に耳を貸せるものでした。

ピュ~ぴるの登場も、
彼じゃなきゃ!という感じでいいし。

しかし、
死者の幻影らが登場すると陳腐でがっかり。

主人公は混乱していくし、
さらに窪塚洋介演じる、主人公の兄の言ってることが
まったくもって意味不明!(苦笑)


72分という短さも、
この尻切れトンボでは納得できないでしょう。

がっくりしました(苦笑)

聞けば元々ある企業のPR用から始まった企画らしい。

これで1800円払ったら、正直泣くに泣けない。
もう少しブラッシュアップするか、
別の形態として見せたほうがよかったのではないでしょうか。


★4/21から渋谷ユーロスペースほかで公開。


「モンスターズクラブ」公式サイト
コメント
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