本国ノルウェーでも知られていなかった
ある事実を描いたサスペンスです。
「孤島の王」72点★★★★
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1915年。
ノルウェーのバストイ島に
少年エーリング(ベンヤミン・ヘールスター)が送られてくる。
この島には非行少年を矯正する施設があり、
エーリングは罪を犯して、島に連れてこられたのだ。
威圧的な寮長(ステラン・スカルスガルド)にも屈しないエーリングは
大人たちに目をつけられるが、
次第に班長である優等生(トロン・ニルセン)と心を通わせる。
しかし、やがてエーリングは
施設の水面下で起こっている、
ある事実を知ることになる――。
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キンと冷えた緊迫感のなか
「正義とは何か」を考えさせ、
しっかりと物語の手応えを感じる映画でした。
舞台となる矯正施設は、
1900年から1970年までノルウェーに実在したそう。
見ると、一応規律が守られていて、
少年同士にえげつないイジメなどはないんですよ。
しかし、
彼らは大人たちに不毛な労働をさせられ、
まともな食事も与えられない。
さらに寮長に関わる、
陰惨な事実も明らかになっていく。
そして、主人公のエーリング同様、
観客は気付かされるんですね。
彼らが闘うべきは
「無垢」を犠牲とする「大人」であることを……。
抑揚の効いた筆致で少年たちの友情を丁寧に描き、
社会の悪であるはずの彼らに、
その経験値のなさゆえ持ち得る“イノセンスと正義”を、映し出させたのが見事。
大人の事情に組伏せられそうになっても、
自分の未来、そして命すら懸けて抵抗する少年の、
魂の美しさ、清らかさが
残滓のように、心に積もります。
まあ「大人って汚い!」ことこのうえないですけどねえ。
主人公エーリング役の少年の
不敵さ満点、反抗的なオーラもすごい(笑)
ラスト意外な展開となりますが、
最後まで“規範”をきちんと持つ姿勢が、
ここでは正しいと感じました。
★4/28(土)からヒューマントラストシネマ有楽町で公開。ほか全国順次公開。
「孤島の王」公式サイト