こういう映画、好きやねん。
「桃(タオ)さんのしあわせ」77点★★★★
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現代の香港。
家政婦の桃さん(ディニー・イップ)は
13歳のときから60年間、ある一家に仕えてきた。
一家は海外などにバラバラに暮らすようになり、
桃さんは一人実家に残った息子ロジャー(アンディ・ラウ)の面倒を見ている。
そんなある日、ロジャーが仕事から帰ると、
家のなかで桃さんが倒れていた――。
病院に運ばれた桃さんは
「もう仕事ができないから辞める」とキッパリいう。
そしてロジャーはある行動に出る・・・。
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裕福な家庭に長年奉公した桃さんは
独り身の、誠実で温かみがあって、でも毅然とした女性。
そんな彼女が歳を取り
「さあ、これからどうする?」と思うと
なんと奉公先の息子が
実の家族同然に、いやそれ以上に面倒を見てくれるという話。
しかも仕事ができて優しくてハンサム、という(笑)
「え~そんな都合のいい話あるかア?」というそこのお方、
これなんと、この映画のプロデューサーの
実話に基づいてるんですよ。
ああ~なんともほっこりする、いい話じゃあありませんか。
60年も人に尽くしたそのあとに、
こんな温かな幸せが待っているとしたら、
なんと素敵なことだろうって
あたしゃ心の底から思いましたよ。
しかも演出センスも抜群で
いわゆる一般的に劇的なこと(病気の予兆とか、死、とか)
そういうものをあえて描かずに、
品のいいユーモアやクスクス笑いを散りばめながら
優しいドラマを構築していってくれる。
現代的な老人ホームや介護、といった話が出てきますが
決して辛気くさいものではなく、
全編が自然なおかしみに溢れてて、
あちこちで笑いが起きるんですよ。
単なる“人のいいカワイイおばあさん”ってわけじゃない
桃さんのキャラクターもいい。
これぞ「情けは人のためならず」。
善い行いは、やがて静かに自分に戻り、
あなたを幸福に包んでくれるんだよ、という温かさにじんわりしました。
★10/13(土)からBunkamuraル・シネマで公開。ほか全国順次公開。
「桃さんのしあわせ」公式サイト