休憩ありの267分。
さあ、がんばっていきましょう!(笑)
「ミステリーズ 運命のリスボン」67点★★★☆
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19世紀前半のポルトガル。
修道院で育った14歳の少年ジョアンは
ディニス神父(アドリアヌ・ルーシュ)の計らいで
実の母と対面する。
母は裕福な伯爵夫人だったが、
夫の子ではないジョアンを産んだことで
夫の逆鱗に触れ、長年軟禁されていた。
ジョアンは次第に
自身の出生の秘密を知り
さらにジョアンを助ける神父も
ひょんなとこから自分自身の出生の秘密を知ることになる。
やがてジョアンはパリに渡り、
年上の未亡人に恋をする。
だが実は彼女はディニス神父と
ある接点を持つ人物だった。
運命の糸は
まだまだ複雑に絡みあっていく――。
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いや~、これは長かった!
神父に育てられた孤児の少年(美形!笑)の生い立ちから、
少年の母親、そして神父自身と、
人々の身の上話が、数奇に絡み合う4時間26分。
監督はチリ生まれでフランスに亡命し
「クリムト」(06年)などを撮ってきた
ラウル・ルイス氏。2011年に70歳で亡くなっていますが、
これが
非常に特異な作風というか、
脚本も映像もリズムもなにもかもが
既成のものとはまったく違うので
その世界に入るまでは、正直退屈でたまらない(苦笑)。
しかし中盤~後編になり、
ようやく運命の糸の繋がりが見えはじめ
行き着く先の、因果の皮肉が見えてくると
「人の人生は、かくも複雑なのだ」を実感できて、
意外にしっかりした鑑賞後感を得ることができます。
映像も美しいし
ほぼ全て、男女の愛と感情から物事が起こっているのに、
濡れ場が一切ないのも徹底してるというか
美学なんでしょうね。
少し辛抱が必要だけど、
入り込めば、めくるめく魅惑の世界・・・かな。
★10/13(土)からシネスイッチ銀座で公開。ほか全国順次公開。
「ミステリーズ 運命のリスボン」公式サイト