彼の“声”に浸る、という
珍しい経験ができたドキュメンタリーです。
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「ノーコメントbyゲンスブール」69点★★★★
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1950年代にデビューし、
作詞作曲家、シンガーであり、映画監督で画家であり、
ジェーン・バーキンの元ダンナであり、
シャルロット・ゲンズブール(ズ、だったよねえ。彼女は)のお父さんであり・・・と
91年に亡くなってもなおカリスマ・オーラを出し続ける
セルジュ・ゲンスブール氏のドキュメンタリー。
おもしろいのは、
彼が生前、自分について語った
録音テープなどを基に作られているところ。
独白に近い語りと映像で氏の人生を描いているので
なんだか本人が、いまここで語っているような
不思議なドキュメンタリーになってる。
彼の声と言葉に延々包まれ、
浸れる度がかなり高い。
単調な部分もあり、途中カクンとなりましたが
舞台で観衆を前に唄うシーンなど、
あまり見たことなかったし、
ユダヤ人としての戦争体験なども
正直に語っていて
ワルおやじという今まで感じてきた側面よりも
彼の「言葉」「詩人」の側面が
際立つ感じがしました。
あと「ゲンスブールと女たち」(11年)が
かなり忠実に作られていたんだ、と改めて驚いた。
観たときはイマイチと思ったけど。(笑)すんません。
ちなみに、この“かっけー”宣伝素材の写真を撮ったのは
フォトグラファーの石田昌隆さん。
おなじみ『週刊朝日』「ツウの一見」でお話を伺ったところ
1988年にトーキョーで撮影したもので
その状況は、驚くべき偶然によるものだった・・・そうです。
8月上旬発売の週刊朝日に掲載されますので
どうぞご一読くだされ!
★7/27(土)からBunkamuraル・シネマで公開。ほか全国順次公開。
「ノーコメントbyゲンスブール」公式サイト