右京さん好きのうちの母が
えらく楽しみにしてるんですわ(笑)


「少年H」68点★★★★




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昭和初期の神戸。
少年Hこと妹尾肇(吉岡竜輝)は、
好奇心旺盛で、絵が得意なわんぱく坊主。

洋服の仕立屋を営む父(水谷豊)はそんなHに
さまざまなことを教えてくれる。

そんな父と優しい母(伊藤蘭)、妹と
幸せに暮らすHだったが、
やがて一家のまわりにも
戦争による、不穏な空気が漂いはじめ――?!

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97年に発表された妹尾河童氏の自伝的小説で、
340万部越(!)のベストセラーとなった同名小説を
「あなたへ」の降旗康男監督が映画化。

悪い意味ではなく
本当に教材のような優良映画です。


昔、原作に感動した覚えがあったけど、
話はすっかり忘れてた(笑)

なので、新鮮な気持ちで楽しめました。
なんといってもやはり
ハイカラで品格ある柔和な父親役・水谷豊氏がいいですねえ。


仕事柄、仕立てのよいスーツを着こなし(肩のラインが美しい!)


外国人相手の商売ゆえに視野も広く、
戦争になだれ込んでいく世の中で周囲に流されず、
しかしむやみに逆らうことなく
「戦争はいずれ終わる」
「自分を持ち続けよ」という“柔の教え”を少年Hに伝えるわけです。


有事の際にまことに、まっとうな人格者を描いた
気持ちのよい作品だと思います。

仲間にも親にも
「お前は一言多いんや」と言われる
少年H

ただ”戦争”の時代にしては描写が綺麗すぎるというか
切迫感や大きな心の揺さぶりに欠けているのは
ちょっと残念でした。

★8/10(土)から全国で公開。
「少年H」公式サイト