ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ブルージャスミン

2014-05-05 23:45:58 | は行

どん底顔で、
ケイト・ブランシェット
アカデミー賞主演女優賞受賞!


「ブルージャスミン」78点★★★★


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ニューヨークのセレブリティだった
ジャスミン(ケイト・ブランシェット)は

夫との結婚生活も、資産もすべて失い、
人生のどん底にいた。

シングルマザーである妹(サリー・ホーキンス)の
質素なアパートに身を寄せたジャスミンは
なんとか生活を立て直そうとする。

しかし
見栄っ張りで、プライドの高い彼女の前途は多難で――?!

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ウディ・アレン監督の最新作。

ここ最近は連勝・失敗ナシのクオリティで
本作も間違いなし、です。


セレブから平民に堕ちた女性のギャップを
シニカルに可笑しく、風刺を込めて描いていて

これは本当に主演のケイト・ブランシェットが素晴らしい。
彼女の持ち味を活かして
こういう風に使ったウディ・アレンのセンスが素晴らしい。

ジャスミンを単なるイヤミな女”にしないためには
ケイト・ブランシェットの「本物のエレガンス」が肝なんですよねえ。

で、
そんな“本物感”あるジャスミンの
セレブ暮らしが崩壊してしまう。

精神を病み、ボロボロになっても
ジャスミンはプライドを捨てずに
なんとか、人生を立て直そうとがんばる。

しかし、そのがんばりが、かなーり見当違いで
いきなりインテリアデザイナーを目指すとか
気持ちはすごくわかるんだけど、違うだろそこ!って(笑)

堅実の“け”の字もないジャスミンの悪戦苦闘、
そこに生まれるちぐはぐさ、滑稽さが可笑しいんですね。


あまりにうまく行かないジャスミンの人生、
ちょっと切なく、気の毒な気もするんですが

これは個人攻撃ではなく
「ジャスミンのような」悲劇を生む社会の価値観や視線を、
蹴っ飛ばしているだと思えるので、いいんでしょうね。

しっかし
彼女の持ってるエルメスのバーキンが
だんだんくたびれてくる様子といい

アレン御大、やっぱりなにもかも
わかってらっしゃるなあと。

★5/10(土)から全国で公開。

「ブルージャスミン」公式サイト
コメント
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