ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

みつばちの大地

2014-05-28 22:47:57 | ま行

ちょっ・・・ミツバチって
めちゃくちゃスゴイんですけど?!


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「みつばちの大地」80点★★★★


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花と蜜から花粉をもらい
その代りに植物の受粉を助けるミツバチ。

“循環型社会”のお手本としても
近年、大注目されている彼らの
生態や、謎を解明しようというドキュメンタリーです。


祖父が養蜂家だったという監督が
「なぜいま、ミツバチが大量に死んでいくのか?」を解明したいという
素直な動機から作り上げたそうで

世界各国を巡り、
多くの的確な取材を行い

これ一本で、大学の1期分の授業を受けた感じがする
お得で、濃い内容です。


冒頭、蜂の巣のなかの神秘的なシーンから
すげえ!と魅了され、

空中での女王蜂の交尾の様子など
「どうやって撮ったのか?!」――という
驚異の映像が満載。

でも、それだけだとネイチャー映画になりそうですが
この映画はそこに留まらず

論理的な分析や、人類への警鐘という論旨がとても明確なのがいい。

「絵」と「頭(監督のね)」の兼ね合いが
実に見事なのです。

ミツバチの脳みそまで解明し(!)
ミツバチが賢く複雑な生き物であることを教えてくれつつ、

人間がやりたい放題にミツバチを使っている
その様子をも、冷静に見せる。

農薬を浴びせられるミツバチや
人間に都合のいい女王蜂を生み出す遺伝子操作……など
胸の詰まるシーンがあるのも事実。

それによって身勝手な人間の愚かしさを
またまた思い知らされるわけです。

そして人間が身勝手した結果どうなったか、も
きちんと取材している。エライ。

農薬でミツバチを全滅させてしまった中国では
人間が花粉を買って受粉させたりしてるわけで。(めんどくせー!

ミツバチを知るだけでなく
我々の社会をも考えさせる良作なんで、ぜひに。

ちなみに
ミツバチは一生かけて
小さじ1杯5グラムほどのハチミツを摂るそうです。

うう、まさに精一杯!
マジで「ありがとうミツバチ!」です。

★5/31(土)から岩波ホールで公開。ほか全国順次公開。

「みつばちの大地」公式サイト
コメント
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