ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マンデラ 自由への長い道

2014-05-21 23:30:44 | ま行

本当にいい意味でしっかり勉強になりました。


「マンデラ 自由への長い道」70点★★★★


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1918年、南アフリカに生まれたマンデラ(イドリス・エルバ)は、
大学を卒業し、黒人初の法律事務所を開業する。

白人に虐げられる黒人たちを弁護するうちに、
彼はアパルトヘイト反対運動に加わっていく。

だが、いくら声をあげても
政府には届かない――。

苛立ちと、切迫する状況から
マンデラたちは次第に武力闘争に転じていく。

そして1964年、ついにマンデラは逮捕されてしまい――?!


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監督は
「おじいさんと草原の小学校」(10年)の
ジャスティン・チャドウィック氏。

脚本は
「グラディエーター」(00年)「レ・ミゼラブル」(12年)の
名脚本家・ウィリアム・ニコルソン氏。

なーるほど、いいコンビで編み上げられた作品でした。

147分は確かに長くはあるけれど
でもまあ、これで最短かも(笑)


「マンデラ氏って、実際どんなことやったの?」という
素朴な疑問がすべて解き明かされるのがおもしろく

法律家としての青年時代から
彼の歴史と南アフリカの辿った道がよく整理され、
わかりやすく描かれてます。


特に
はじめは非暴力だった運動が
武力闘争へと進んでしまうその道筋は
マジで勉強になりました。


その中でのマンデラ氏のリーダーシップは
「これは逮捕されるてもしかたないわ・・・」と思えるくらい
目立つものだったこともわかる。

実際、かなりタッパもあった人みたいですね。

シスルという彼の同志が
マンデラに示唆を与えた賢人なことも、興味深く、

さらに
27年の投獄後、自由になったところで
物語が終わらないのもミソ。

彼を支えてきた妻との間に起こった問題、
そのなかで「私は赦した。あなた方も赦せるはずだ」のあの名スピーチが
めちゃくちゃ響きます。

マンデラ役のイドリス・エルバの熱演もホントにすごい。

特に老年になってからの、
ナナメ後ろから漂わせる雰囲気とか素晴らしくて
決して似させてるわけじゃないのに
「その人になる」。

これぞ“役者”で
それを見る我々も冥利に尽きるというものです。

ただ「ネルソン・マンデラ 釈放の真実」に出てくる

例の人物の話は残念ながら出てこなかったですね(笑)

★5/24(土)から全国で公開。

「マンデラ 自由への長い道」公式サイト
コメント
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