シャーロット・ランブリングが出ると、シュッと締まるなア。


「リスボンに誘われて」63点★★★



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スイスの平凡な高校教師ライムント(ジェレミー・アイアンズ)は
あるきっかけで一冊の本に出会う。


本に感銘した彼は、
作家の住むリスボン行きの夜行列車に飛び乗り



作家に会いに行く。
リスボンの町で作家の足取りを辿るうち、
彼はポルトガルの近代史を旅することになり――。

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「ペレ」(87年)などで知られる
ビレ・アウグスト監督作品。

ポルトガル・リスボンを舞台に
主人公ジェレミー・アイアンズが作家の足跡を追う現代パートと、
その作家が生きた
1974年、カーネーション革命時代のパートが交互に描かれて

ポルトガルの歴史といまの空気を
深く吸い込める、そんな作りの映画です。


そぞろ歩きたくなるリスボンの風景も、
詩情豊かな映像も、とても美しく


ジェレミー・アイアンズも渋く、
シャーロット・ランブリングに背筋が伸び、
過去パートに出てくるメラニー・ロランも美しい。


うまく作っているとは思うのですが、
過去パートとのクロスにあまり工夫がなく、
展開も
「そういうものだよ、お話なんだから」な印象を持たせてしまう点が
ちょっとワシには食い足りなかった。

ジェレミー・アイアンズが探偵のように作家の足跡を辿り、
けっこうミステリーふうな雰囲気もあるのに、
ありゃ、意外にあっさり探し当てるべき人物に会えたり(笑)
まあ、そこに主眼はおかれてないですけどね。

ポルトガル映画はこのところ
オリヴェイラ、ペドロ・コスタ監督などでけっこうハマってるのもあるからかな。
でも
ポルトガルの歴史と雰囲気はたっぷりで
「ああ、やっぱり行ってみたいなア」

増幅しました。


★9/13(土)からBunkamura ル・シネマほか全国順次公開。
「リスボンに誘われて」公式サイト