これもさすがの巨匠技。
「ジャージー・ボーイズ」70点★★★★
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1960年代、ザ・ビートルズより前の時代。
米ニュージャージー州の貧しい地区に生まれた
フランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)は
特徴あるファルセットボイスで
地元では歌の上手い少年として知られていた。
フランキーは友人トミー(ビンセント・ピアッツア)に誘われて
バンドで歌を歌うことに。
二人はバンドメンバーを集め
4人組の“ザ・フォー・シーズンズ”として
メジャーデビューを夢見るのだが――?!
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ザ・フォー・シーズンズって名前は知らなかったけど
「シェ~リ~」って歌を聴いたらピンときた。
そんな
曲をチラッとしか知らないアーティストの歴史を
伝記ものともミュージカルとも付かないバランスで
流暢にまとめ、惹きつける。
さーすがクリント・イーストウッド監督です。
特にへえと思ったのが
役者がカメラを向いて観客に
「この話の裏では実はこんなことがあったのさ」的に
語りかけてくる手法。
予告編だけなのかと思ったら
本編でも使われていて、それがけっこううまく効いていた。
もともと人気舞台の映画化で、
舞台での手法をそのまま生かしたんだそう。
主演俳優たちもトミー役をのぞいて
舞台版の役者をキャスティングしており
新味もあり、「歌、うっま!」とびっくりします。
エンドロールの歌を聞きながら
「ホントに役者が歌ってたのか!」と驚きでした。
中盤、バンドが仲違いするあたりは若干眠く
2時間20分はやや長いんだけど、
特にメンバーの誰かに感情移入させるわけでもなしに
歌だけでなく友情にもひっかけた
「ハーモニー」を見事に盛り上げる。
やっぱり「さすが」というしかないですね。
★9/27(土)から全国で公開。
「ジャージー・ボーイズ」公式サイト