久々に「他人の人生(のゴタゴタ)って、やっぱおもしろい!」という快作。
「ニューヨークの巴里夫」74点★★★★
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40歳のグザヴィエ(ロマン・デュリス)は
妻(ケリー・ライリー)と2人の子どもとパリに暮らし、
小説家としてもまずまず成功していた。
が。
かつての留学仲間イザベル(セシル・ドゥ・フランス)から
精子提供を頼まれたことをきっかけに
人生がおかしな方向に。
いろいろあってNYに行くことになった彼は
元カノ(オドレイ・トトゥ)とも再会し――?
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「スパニッシュ・アパートメント」(01年)
「ロシアン・ドールズ」(05年)(すいません、未見です)の
10年後を描いた作品。
ずっと同じ主人公ですが
前作を知らなくても全然OKです。
妻に浮気され、とりあえずNYへ追いかけるも
ゴツく金持ちそうな妻の彼氏にあっさり負けたり
元カノが登場したり、また別の女性に出会ったり・・・
結局は女性に翻弄されまくる「いい人」つうか
単にダメな40男の話なんだけど(笑)
冒頭のテンポよく、こじゃれた短いカットつなぎから
「お!」とワクワク。
で、それも
デタラメじゃなく、ちゃんと意味があったり。
全体にメソメソと心情を綴ったりしないドライさが絶妙で。
それをまた
主人公グザヴィエ(ロマン・デュリス)が
「え?そこ描いてくれないの?」と言ってるようにすら見えて
彼の表情だけで笑っちゃう(笑)
不惑どころか迷いまくりな同世代として
より共感できたのかもしれません。
劇中に登場するフランスの学者の言葉
「人生は刺繍だ。前半は表だけ見ていられるが
後半はそのゴッチャゴチャした裏側を見ることになる。
美しくはないが、勉強になる」って
至極名言だわ。
★12/6(土)からBunkamura ル・シネマほか全国順次公開。
「ニューヨークの巴里夫」公式サイト