ホラー分野って
こういう“新芽”が、出てくるから
見逃せないんですよねえ(怖いけど)。
「イット・フォローズ」69点★★★★
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19歳のジェイ(マイカ・モンロー)は
妹にもうらやましがられる美人。
ある夜、ジェイは
彼氏と初めて一夜をともにする。
が、その後ジェイは
彼氏にあることを告げられる。
「本当に申し訳ないが、君に“それ”をうつした
“それ”はどこまでもついてくる。
“それ”に殺される前に、誰かにうつせ」
一体、なんのこと?!
そしてジェイの目の前に
ゆっくりと、向こうから歩いてくる“それ”が見えた――。
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ただ向こうからゆっくりと歩いてくるだけの人が怖くなる、
確かにちょっと新しいホラー。
冒頭、郊外の住宅街を
何かから逃げるように走っていく
少女のプロローグがうまい。これは惹きつけられます。
“それ”をうつされた人は
殺されるまで“それ”に追われてしまう。
逃れるには誰かに“それ”をうつすしかなく、
しかし、うつした相手が殺されてしまうと
“それ”はまた自分に戻ってくる――という
この恐怖ルールには
わけわかんないんだけど、妙に心惹かれるものがある。
で、彼氏から“それ”をうつされた少女ジェイも
次々にやられて行くのかとおもいきや
意外と彼女とその友人たちが
“それ”から逃れようと粘るのだ。
正直、粗くはあるんだけど
そんなに血みどろとかではなく、恐怖の質もちょっと変化球。
このオリジナリティはおもしろいですわ。
ホラー分野というのは
こうした「おっ!」が出てくるので
怖くてヤなんだけど、見逃せないんですよ。
近年だと
シャマラン監督の「シックス・センス」(99年)
アレハンドロ・アメナーバル監督の「アザーズ」(01年)
さらに
手持ちカメラの
「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(99年)
死亡フラグ、という概念を形にした
「ファイナル・ディスティネーション」(00年)
うそっこモキュメンタリーの頂点、
「パラノーマル・アクティビティ」(07年)
などなど。
どれも
その後のホラーだけでなく
さまざまなジャンルにおいて影響を与えてますからね。
観客はオリジナリティある映画を
常に求めているものなので
この作品も、オリジナリティに拍手でした。
★1/8(金)からTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開。
「イット・フォローズ」公式サイト