素晴らしい実話。いい映画だと思う。
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「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」71点★★★★
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1938年。
チェコスロバキアにナチスの手が迫るなか
ごく普通のイギリス人の若者が
チェコ在住のユダヤ人の子どもたちを国外に脱出させ命を救った・・・という
実話ドキュメンタリーです。
教科書に載っていてもおかしくないような話なのに
まったく知らなかった。
本当に世の中には「知られざる歴史の逸話」がまだまだあるんだなあと
びっくりしますが
まあそれもそのはず。
この話は最近まで、誰にも知られていなかったのです。
ニコラス・ウィントンは、669人の子を救ったあと
そのことを妻にも話さずにいた。
でも1988年に彼の妻が、50年間眠っていた彼のノートを見つけ
この歴史的な偉業が世に出ることになったんですね。
映画は105歳でも元気なニコラスへのインタビューも含め
彼に助けられた子どもたちの消息を追い、
インタビューをしている。
観客としては
成長した彼らが一様に立派な職業についているのにびっくりいたします(笑)
学者や企業家、教師――
その理由は彼らの通ったイギリスの“チェコ学校”にあるらしい。
このあたり、ぜひ教育関係者は参考にしていただきたいですね。
と、まあおもしろい題材なのですが
この映画をとりわけオススメしたい理由は
単なる「偉人伝」にしていないところ。
彼に助けられた子どもたちはその事実を知り
「恩返しやお礼をしたい」と
それぞれが善き活動を始めている。
さらに、それが孫世代にも繋がっている――というんです。
だから、感動が深いんですねえ。
ニコラスさんは2015年に106歳で亡くなったのですが
映像でも本当にお元気そうだし。
ラストの歌には、あまりにも善オーラが溢れすぎかと思ったけど(苦笑)
ぜひ授業などでも取り上げていただきたい作品だと思いました。
それにしても。
子どもを生き延びさせるためとはいえ
やはり「子どもと別れて、子どもだけを外国に逃がす」ことは
親にとっては辛い決断なのだな、とつくづく感じた。
こうした例がほかにあまりない理由はそこにあるんでしょうね。
★11/26(土)からYEBISU GARDEN CINEMAほか全国順次公開。
「ニコラス・ウィントンと669人の子どもたち」公式サイト