美術館の“裏”をとことん。


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「グレート・ミュージアム ハプスブルグ家からの招待状」68点★★★☆



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ブリューゲルの「バベルの塔」などを持つ
ウィーン美術史美術館。



創立120周年の節目に
大改装が行われたこの美術館に
2年以上密着して撮影されたドキュメンタリーです。

最近は
「ウフィッツィ美術館 4K3D」とか
3Dで魅せる系の美術館ドキュメンタリーが多かったけど
本作はちょっと違う。

監督の興味はあくまでも
働く人々、運営事情などを含めた美術館の「裏側」にあるんですね。


とにかく会議や、展示する作品選び、
修復家の仕事など、美術館で働く人々のスケッチで綴られる。

「いかに集客するか?」「国から予算をもらうか?」といった
せめぎ合いとかね。
(これまた会議、会議の映画でもある。

誰もが見たいであろう
「バベルの塔」はなかなか出てこないし(苦笑)

監督の意識は
「美術品をカッコよく撮る!


全然、向いてないわけです。

なので
そういうものを期待すると肩すかしかもしれないけれど、
この異色さを楽しむ姿勢でいけば、イケるんだと思います。

名画の裏を探って、虫喰いの犯人を見つける作業シーンや
倉庫に、彫刻が枕を並べて(ホントに!)保管されている様子とか
ほかにない視点で美術品を見るおもしろさがありました。

★11/26(土)からヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国順次公開。
「グレート・ミュージアム ハプスブルグ家からの招待状」公式サイト