「ゼロ・グラビティ」監督が製作。
息子が監督。
「ノー・エスケープ 自由への国境」69点★★★☆
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メキシコとアメリカの国境にある砂漠地帯。
メキシコ人のモイセス(ガエル・ガルシア・ベルナル)は
15人の移民たちと
アメリカに不法入国するトラックに乗っていた。
しかし、砂漠の真ん中でトラックが故障し
モイセスたちは歩いて砂漠を越えなければならなくなる。
照りつける太陽のなか歩き続けていた彼らを
突然、銃弾が襲った――!
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いや、マジこれ怖いです。
イヤです(苦笑)。
ホナス・キュアロン監督が
移民たちの体験談を取材し、
構想から8年かけて完成したという作品。
この恐怖、マジなのか・・・っていうのが
第一です。
監督の父である
「ゼロ・グラビティ」のアルファンソ・キュアロン監督が
「ゼロ~」前にこの脚本を読み
「面白い!ワシもこんな映画が作りたい!」と
「ゼロ~」を作った・・・という逸話あり。
確かに、
荒涼とした砂漠の、水も空気すら少ないような極限でのサバイバル、
逃げ場なしのハラハラは
宇宙空間での恐怖にも通じていて
まるでSFのような感じもする。
しかし、これがSFじゃないってところが
余計に怖い。
移民たちを襲うのは
動物でも、暑さでもなく、“アメリカ愛国者”の狂信なんですね。
でも、本人はまったく狂信と思ってないし
言うまでもなく、トランプを支持した人たちは
こういう思考を持っていてもおかしくないわけで。
実際に、この付近では
「アメリカを移民から守るんだ!」と息巻く退役軍人たちが
「自警団」のようなものを作り、
国境で警備をしているそうなんです。
ぜんっぜん、SFじゃないですよ。
88分のコンパクトさも好きだし
すごく惹きつけられる映画なんですが
でも、やっぱり“イヤサス”=イヤ~なサスペンスなんですよね。
(イヤミスを真似てみた。笑)
ハラハラの裏にある現実のイヤ〜な感じが凄まじく
決して、見てこころよいものではないのですわ。
でも、けっこう、残ります。
★5/5(金・祝)から全国で公開。
「ノー・エスケープ 自由への国境」公式サイト