カンヌで
イザベル・ユペールやクリステン・スチュワートを抑えて
主演女優賞に輝いた作品。



「ローサは密告された」69点★★★☆




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マニラのスラムで
雑貨店を営むローサ(ジャクリン・ホセ)。

まだ小さい娘を含め、4人の子を育てる彼女は
ダラダラなダメ夫を尻目に

せっせと店を切り盛りしている。



そして彼女は生活のために
少量の麻薬を店で扱っていた。

そんなある夜、
店にいきなり警察が踏み込んできて



ローサと夫は逮捕されてしまう。


二人は
「保釈して欲しければワイロをよこせ」と
法外な金額を提示され――?!

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まるでドキュメンタリーのような
臨場感溢れる絵。揺れるカメラ。

割れる音がやかましい。

どしゃ降りでぬかるむ道が鬱陶しい。

雑多で乱雑で、清潔ではない画面が
とにかく強烈です。

内容も、実際に起こっていることに基づいている。

フィリピン・マニラの路地裏で小さな店をやるローサは
いきなり踏み込んできた警察に
麻薬売買の罪で逮捕されてしまう。

しかし
連れて行かれた先は警察署の表ではなく、裏口。

そこで彼女と夫は
保釈と交換に、法外なワイロを要求される・・・という。

警察まで黒い、フィリピンの闇がにじみます。

そして両親の保釈のために
なんとか金を工面しようとするローサの子どもたち。
いじらしくもあるけれど、
彼らもまた、善悪雑多な闇に飲み込まれているんだよね。

ブリランテ・メンドーサ監督は
こうしたノイズや、手持ちカメラを映画手法としているそうで
たしかに強度がある。

でも
動くカメラに少し酔ったので、弱い方は注意。

あと
ラストでローサが頬張るのは、甘いものかと思ったけど
焼き鳥のような、魚のすり身を揚げたおかずなんだそうです。
へええ~。

★7/29(土)からシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開。
「ローサは密告された」公式サイト