ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

静かなる情熱 エミリ・ディキンスン

2017-07-28 23:57:43 | さ行

彼女の詩は
ジム・ジャームッシュ監督最新作の
「パターソン」にも出てくるんですよ。


「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」69点★★★☆


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19世紀半ばの、米マサチューセッツ州。

女子学校に通っていたエミリ・ディキンスン(シンシア・ニクソン)は、
学校の教えになじめず、家に帰る。

詩を書き続けるエミリは
やがて父親の口利きで、地元の新聞社に初めて詩を掲載される。

だが、
「女に不屈の名作は書けない」という当時の風潮もあり
なかなか認められない。

エミリは家に引きこもり、
詩だけを書く日々を送るようになるが――。


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アメリカを代表する女流詩人であり
しかし、生前は世に認められずに亡くなった
エミリ・ディキンスンの物語です。

かなり特徴ある人物で、
映画もそれに合わせて、かなり特徴あるものだと思う。


エミリは人に表面だけ合わせることができず、
人と交われることがヘタな女性。

その性質ゆえ、歳を取るごとに
どんどん辛辣に、どんどん扱いにくくなっていく。


彼女が言わば「気の毒なおひとり様」となっていく様子が
容赦なく描写されていて
うう、ちょっとつらいんですが(苦笑)。


でもそこの映画には
「彼女の詩を深く読み解こう」という、試みも確かにあると思う。


さらに
孤高の詩人の奥底に、実は「外見に自信がない」という
極めてシンプルなコンプレックスがあったと描かれていて
そうだったのか・・・と妙に親近感も沸きました。


結果、思うことは
「詩作は格闘だ!」。

彼女の詩をじっくり読んでみたくなります。


★7/29(土)から岩波ホールほか全国順次公開。

「静かなる情熱 エミリ・ディキンスン」公式サイト
コメント
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