ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

THE PROMISE 君への誓い

2018-02-01 23:05:05 | さ行

「ホテル・ルワンダ」(04年)の監督が
再び“虐殺”をテーマに!


「THE PROMISE 君への誓い」75点★★★★


****************************


1914年、南トルコ。

将来有望なアルメニア人青年ミカエル(オスカー・アイザック)は
医学を学ぶために
イスタンブールにやってきた。

彼は下宿先の家で
ヨーロッパ育ちの快活な女性アナ(シャルロット・ルボン)と出会う。

最初からどこかピンとくるものを
感じ合った二人だが
アナにはアメリカ人ジャーナリスト(クリスチャン・ベイル)という恋人が、
ミカエルにも
故郷に残してきた婚約者がいた。

そのうち
国内でアルメニア人への弾圧が高まり、
ミカエルは強制労働へと送られてしまう――。


****************************


「ホテル・ルワンダ」のテリー・ジョージ監督が、
1915年、150万人が犠牲になった
オスマン帝国(いまのトルコ共和国)による、アルメニア人大虐殺を描いた作品です。

トルコ政府が
虐殺の事実を認めていないこともあり、
世界的にもあまり知られていない話で、

ワシも最近では
ファティ・アキン監督の
「消えた声が、その名を呼ぶ」(15年)
初めて知った。


アルメニアにルーツを持つ
カナダのアトム・エゴヤン監督の
「アララトの聖母」(02年)も
この話を描いているんですね。


でも、この映画
そうした歴史を背景にしつつつも
重く苦しいだけでなく

リアルにジリジリする男女の切ない愛や運命を
見事に織り込んであるんですねえ。



「タイタニック」なみのドラマチックもあり

こんな状況でも
「人って、こうやって生々しく、
生きてるんだよな」と思える。


そのおかげで
「歴史」がこちらの心に刻み込まれる。


それこそが、監督の意図だろうなと
さすが、うまいなあと感じ入りました。


そして。テリー・ジョージ監督に
「AERA」(2/10発売号)で
インタビューをさせていただきました!


ロヒンギャ問題などがリアルタイムに起こっているいま
なぜ、虐殺という題材を描き続けるのか。
そして
なぜ、悲劇は繰り返されるのか。
我々は、そのなかで、どう行動すべきか。

伺うことができましたので
ぜひ
インタビューをご一読いただけますれば!


★2/3(土)から全国で公開。

「THE PROMISE 君への誓い」公式サイト
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする