「ホテル・ルワンダ」(04年)の監督が
再び“虐殺”をテーマに!
「THE PROMISE 君への誓い」75点★★★★
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1914年、南トルコ。
将来有望なアルメニア人青年ミカエル(オスカー・アイザック)は
医学を学ぶために
イスタンブールにやってきた。
彼は下宿先の家で
ヨーロッパ育ちの快活な女性アナ(シャルロット・ルボン)と出会う。
最初からどこかピンとくるものを
感じ合った二人だが
アナにはアメリカ人ジャーナリスト(クリスチャン・ベイル)という恋人が、
ミカエルにも
故郷に残してきた婚約者がいた。
そのうち
国内でアルメニア人への弾圧が高まり、
ミカエルは強制労働へと送られてしまう――。
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「ホテル・ルワンダ」のテリー・ジョージ監督が、
1915年、150万人が犠牲になった
オスマン帝国(いまのトルコ共和国)による、アルメニア人大虐殺を描いた作品です。
トルコ政府が
虐殺の事実を認めていないこともあり、
世界的にもあまり知られていない話で、
ワシも最近では
ファティ・アキン監督の
「消えた声が、その名を呼ぶ」(15年)で
初めて知った。
アルメニアにルーツを持つ
カナダのアトム・エゴヤン監督の
「アララトの聖母」(02年)も
この話を描いているんですね。
でも、この映画
そうした歴史を背景にしつつつも
重く苦しいだけでなく
リアルにジリジリする男女の切ない愛や運命を
見事に織り込んであるんですねえ。
「タイタニック」なみのドラマチックもあり
こんな状況でも
「人って、こうやって生々しく、
生きてるんだよな」と思える。
そのおかげで
「歴史」がこちらの心に刻み込まれる。
それこそが、監督の意図だろうなと
さすが、うまいなあと感じ入りました。
そして。テリー・ジョージ監督に
「AERA」(2/10発売号)で
インタビューをさせていただきました!
ロヒンギャ問題などがリアルタイムに起こっているいま
なぜ、虐殺という題材を描き続けるのか。
そして
なぜ、悲劇は繰り返されるのか。
我々は、そのなかで、どう行動すべきか。
伺うことができましたので
ぜひ
インタビューをご一読いただけますれば!
★2/3(土)から全国で公開。
「THE PROMISE 君への誓い」公式サイト