ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

ローズの秘密の頁

2018-02-02 23:20:51 | ら行

ジム・シェリダン監督は
「THE PROMISE 君への誓い」テリー・ジョージ監督の盟友。

奇しくも、同日公開!


「ローズの秘密の頁(ページ)」71点★★★★


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1980年代、
アイルランドのある精神病院に
老女ローズ(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)が暮らしている。

彼女は
「自分の赤ん坊を殺した」罪で
ここに40年間!収容されているが

しかし、彼女はそのことを否認し続け、
密かに日記を記していた。

新しく彼女を看ることになった
精神科医のスティーヴン(エリック・バナ)は
ローズの過去に興味を抱く。

そして、次第に彼女の驚きの過去が
明らかになり――?!


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「マイ・レフトフット」(89年)
「父の祈りを」(93年)
そして「イン/アメリカ/三つの小さな願いごと」(03年)などの
アイルランド出身の名匠
ジム・シェリダン監督作品。


アイルランドの精神病院に40年も収容されていた老女。
その過去に一体何が――?!

アイルランドの歴史を背景に、
厳格な宗教規範と、閉鎖的な社会で起こる悲劇を
ドラマチックに織り上げます。


教会に取られた子どもをめぐる
ジュディ・デンチの「あなたを抱きしめるまで」(14年)も同じ問題を扱っていて

さまざまな作品が歴史背景のなかでつながるのも
おもしろいなあと。

そして
40年前の主人公を演じるルーニー・マーラが
強さとはかなさを併せ持つ役柄を
見事に体現していて、美しかった!


奇しくも同じアイルランド出身で
「父の祈りを」で脚本も担当した
盟友テリー・ジョージ監督の「THE PROMISE」が同日公開。

テリー・ジョージ監督はインタビューで
「ストーリー・テリング好きなのは、アイルランド人の気質!」とおっしゃっていましたが

まさに!

この歴史背景×ドラマチックさ。
扱う題材、基盤は変化していても

通底するものが、確かにあるなあと感じ入りました。

併せて観ると、よりおもしろいかもです!


★2/3(土)からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。

「ローズの秘密の頁」公式サイト
コメント
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