シビアな題材を
希望をもって描く。
「ぼくの名前はズッキーニ」69点★★★★
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9歳の少年イカールは
父がいなくなってから
ビールばかり飲んでいる母と二人暮らし。
そんなある日、イカールは
不慮の事故で母親も亡くしてしまう。
ひとりぼっちになったイカールは
児童養護施設に入ることに。
さっそくリーダー格の少年シモンに
手荒い洗礼を受けるイカールだが――?!
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昨年の第89回アカデミー賞で
長編アニメーション部門にノミネートされ
あのグザヴィエ・ドラン氏が
ファンを公言しているという
話題のストップモーション・アニメ。
注目の理由は
クラフト感たっぷりの、温かみある造形に反して
ストーリーの背景が驚くほどシビアで、深いところなんだと思う。
ズッキーニをはじめ
施設に集まる子どもたちは
虐待されたり、見捨てられていたり、親が犯罪を犯していたりと
それぞれ複雑な事情を持っている。
そんなリアルとビターを内包しつつ
子どもらしい世界のきらめきや、希望をすくい取っている。
なにより注目は彼らの「目」!
ほんの少しの目の動き、その演技の細やかさがすごいので
ご注目ください。
そして、この手の作品に興味を持った方は
「メアリー&マックス」(09年)もぜひ!
★2/10(土)から新宿ピカデリー、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開。
「ぼくの名前はズッキーニ」公式サイト