goo blog サービス終了のお知らせ 

ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

シェイプ・オブ・ウォーター

2018-02-27 23:58:12 | さ行

アカデミー賞、最多13部門ノミネート。
何を獲るのかなあ。

「シェイプ・オブ・ウォーター」70点★★★★


************************************


1962年、アメリカ。

イライザ(サリー・ホーキンス)は
政府の秘密機関で清掃員として働く女性。

声を出すことができない彼女は
人とはちょっと違うユニークな感性の持ち主で

職場の同僚ゼルダ(オクタヴィア・スペンサー)と
アパートの隣人(リチャード・ジェンキンス)は
善き友人として、それとなくイライザを見守っていた。

そんなある日。

イライザは仕事中
極秘扱いで搬入されてきた、ある「生きもの」を目にする。

それは人間でも、魚でもない
半魚人のような異形の生物だった!

だが、イライザは怖がることもなく
“彼”(ダグ・ジョーンズ)を気にかけるようになる――。


************************************


ギレルモ・デル・トロ監督が
異形の生きものと女性の切ない愛を描いた作品。

究極のラブストーリー、とありますが
うん、ホントにそのとおり。

意外に、思ったより、普通だった。

いや、いい意味で。


声をなくしたヒロインという設定が
そもそも人魚姫を連想させるように
全体がおとぎ話的というか、ほどよく“劇画”。

レトロかわいい小道具や色調には
ちょっと「アメリ」っぽさがあって

異形の生き物をいじめ抜く悪者(マイケル・シャノン。こういう役、似合うよなア。笑)は
あくまでも憎たらしく、

ピュアな心で“怪物”に接し、
心を通わせるヒロイン――の展開も
ラストまでハラハラさせる。


残酷さも控えめで
それにはホッとしつつ、どこかで
「え。」という絶句モノの驚きがもっとほしい、とも思ってしまう。

ワシ、「パンズ・ラビリンス」の
「え。」なショックが相当大きかったんだなー
(そしていまだにギレルモかギルレモかを迷って間違える。すみません!ギレルモです!)

もちろん盛り上がりは十分。
ラストのオチかたも好きだし
サリー・ホーキンスもよかですよー!


★3/1(木)から全国で公開。

「シェイプ・オブ・ウォーター」公式サイト
コメント (7)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする