「ナビィの恋」中江裕司監督が、福島を撮った。
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「盆唄」70点★★★★
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2015年、福島県の双葉町。
帰還困難区域に指定されたこの町には
かつて「双葉盆唄」が歌い継がれていた。
双葉を離れ、いまも避難生活を送る横山久勝さんは、
盆唄に欠かせない太鼓作りの名手だったけど
いまはもう作ってはいない。
町民たちは散り散りになり、盆唄は存続の危機にあった。
そんなとき、横山さんたちは
ハワイの日系移民の間に盆唄が受け継がれていると知る――。
沖縄をベースに作品を撮ってきた中江監督が福島を撮る?どんなんだろう?と思ったら
やっぱり
普通のドキュメンタリーとはひと味もふた味も違っていた。
舞台はハワイに飛び、富山に飛び
、
アニメーションが挟まるわ、歌のステージがはじまるわ
やっぱり中江監督らしいかも(笑)
震災、原発事故、避難民、という悲劇はあっても
映画に悲壮はなく、
写る人々も、写す目線にも、やっぱり人肌のぬくもりがあって
あったかい。
100年以上も前にハワイに渡り、福島とハワイをつないでいた「盆唄」。
さらに我々は、双葉町の相馬地域の人々が
200年以上前に大凶作や疫病にみまわれ
富山に移民として渡ったという歴史の事実も知ることになる。
人の世にはこうして
長い長い時間をかけて、「継がれていくもの」が確かにある。
そして、人間って、けっこう強い。
そこに、希望があるんだと
ほわ、っと思えました。
おなじみ「AERA」の「いま観るシネマ」で
中江監督にインタビューをさせていただいております。
なぜ、福島にカメラを向けたのか。
帰還困難区域に初めて足を踏み入れたときのこと――
そして、待望の次回作のことまで
お話を伺っております。
2/25発売予定です。ぜひ映画と併せて、ご一読くださいませ~
★2/15(金)からテアトル新宿ほか全国順次公開。