「ムーンライト」監督の新作です。
「ビール・ストリートの恋人たち」71点★★★★
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1970年代のハーレム。
19歳のティッシュ(キキ・レイン)は
幼なじみのファニー(ステファン・ジェームス)と愛し合い
子どもを身ごもる。
幸せの只中にいた二人だが、
あることから白人警官ベル(エド・クライン)の恨みを買ったファニーは
いきなり投獄されてしまう。
その罪とは、まったく身に覚えのない強姦罪だった――。
収監されたファニーにティッシュは言う。
「私が、絶対にここから出してあげる」――
ファニーの無実を証明するために
奔走するティッシュだったが――?!
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1970年代、白人警官によって
無実の罪を意図的に被らされた黒人青年と、その恋人の悲劇を描いた作品。
1950年代にデビューし、黒人作家として活躍した
ジェームズ・ボールドウィンの原作の映像化で
(「私はあなたのニグロではない」で知りました)
実は「ムーンライト」より前に進んでいた企画だったそうです。
テーマや背景はシビアなのですが
映画としは
なんだか、岩井俊二監督作品を思い出すというか
すごく叙情的。
人と人との間に生まれる情感や空気を、
粒子まで映し出すような、綿密な映像で描いてるんですね。
ちょっと全体的に、スローテンポ過ぎるかなとも思ったけど
「触感」を大事にし、エモーショナルを掻き立てる、
「ムーンライト」の世界に、やはり通じていました。
それに原作は1974年発表なのに
それが、いまの時代にもめちゃくちゃ刺さる、ってのが
切ないような、胸苦しいような。
彼らだけでなく、同じ目にあった人々がどれだけいるのだろう――!と
想いをはせずにいられないのでした。
★2/22(金)から全国で公開。