ぽつお番長の映画日記

映画ライター中村千晶(ぽつお)のショートコラム

マリアンヌ

2017-02-06 23:48:25 | ま行

クラシカルなムードの
純正ラブストーリー。


「マリアンヌ」69点★★★☆


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1942年。

カサブランカにやってきた
マックス(ブラッド・ピット)は
先に現地にいた美しい妻マリアンヌ(マリオン・コティヤール)と落ち合う。

仲のよい夫婦に見える二人だが
実は、この夜会ったばかり。

二人は優秀なスパイで
ある重大な任務を遂行するために
夫婦役を演じているのだ。

その任務で、二人が生き残れる確率は40%。

そんな刹那のなかで
二人は次第に惹かれ合っていくが――?!


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ロバート・ゼメキス監督作品。

戦争、スパイ、カサブランカ・・・というだけで
ムードを感じとれる人は
中年以上なのかもしれない。


実際にスパイ男女の間に、こうした話はままあったそうで
脚本家のスティーヴン・ナイト氏も
実在のスパイカップルの実話に魅了され、本作を作ったそうです。


実のところストーリーとして
「すごく心動いた!」ほどはいかなかったけれど
二大スター、ブラッド・ピット×マリオン・コティヤールは
やっぱり画面に華やかさをもたらすし、

二人の科学反応がどんなものかを
堪能できると思います。


まあ一番びっくりしたのは
ブラピが異常に若いこと!

噂では医学(美容のね・・・)の力も借りているようですが(笑)
元気な姿を見て、なんだか「よかったー」と
思ったりしました。


★2/10(金)から全国で公開。

「マリアンヌ」公式サイト
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すべての政府は嘘をつく

2017-02-05 23:30:53 | さ行

トランプ政権発足にあたり
緊急公開!のドキュメンタリー。


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「すべての政府は嘘をつく」70点★★★★


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オリバー・ストーン製作総指揮の
ドキュメンタリー。

2/1、2にNHKのBS1でも放映され、
2/3より配給のアップリンク・クラウドにて配信スタート、
2/4からアップリンク渋谷で上映スタート、という
異例の公開スタイルとなっていますが

とても意義ある行動、対応だと思います。


どういう映画かというと
ずばり「真のジャーナリズムとはなんぞや」という話。


大手メディアなんてダメダメだ、という実態や
そのなかで孤軍奮闘するフリージャーナリストたちを写していて

まずは
報道する側の人間が見るべきものであり(末端である自分も含めて・・・
受け取る側でもある誰もが知るべきだ、という映画ですね。


映画で大きくフィーチャーされるのが
1940年代~80年代に活躍した
米国人ジャーナリスト、I.F.ストーン。

「すべての政府は嘘をつく」という信念のもと、
組織に属さず
ガリ版刷りの(だよね)
『I.F.ストーン ウィークリー』を自分で発行して
さまざまな問題に斬り込んでいった。

マリリン・モンローやアインシュタインも購読者だったそうですが
まさにいまのSNS時代の先駆け、という感じ。


彼だけのドキュメンタリーでも成り立ちそうだけど、
ストーンに影響を受けたマイケル・ムーア監督や、
独立系メディアを立ち上げたエイミー・グッドマン、
そのほか
地道な取材を続けるフリージャーナリストなどを取材し
彼らの仕事ぶりを見せることで
「いまにつながる」ダイレクトな意味を持ったと思います。


すごく単純に言うと、
貧乏でも高潔な信念を持って権力と闘い、事実を伝えようとする
フリージャーナリストたちが「カッコイイ」と思える映画で、
これこそが大事なんだと思う。


そういう共感こそ力になるんですよね。
人間なんて、単純だから。


広告主の顔色を見て、真実を報道できなかったり
セレブのスキャンダル速報で政治ニュースを遮るような
大手メディアがどんなにダサいか、ってことを
実感することが、大事なんだと思います。

「自分が、どこから情報を得るべきか」「何を信じるべきか」が
整理できる・・・という感じです。


★2/4(土)からアップリンク渋谷で公開中(不定期上映)。

「すべての政府は嘘をつく」公式サイト
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