22日、アントニオ猪木酒場 新宿店で「アントニオ猪木デビュー50周年DVD-BOX」DVD(20枚組で62時間という収録時間に秘蔵映像を多数収録。なおかつ10万5,000円(税込)という破格の値段も話題になった。)購入者限定イベントが行われ、DVD購入者の中から抽選で選ばれた約100人のファンを集めた。IGF会長のアントニオ猪木、プロレスラーの藤原喜明、そしてプロレスライターの流智美が登場。胆石の除去手術で入院していた猪木が16日に退院したばかりだったが、元気な姿でファンを安心させた。
病み上がりでファンを心配させた猪木だったが、この日のイベントの開催を心配するファンの心知らず。ハードスケジュールで、この日のイベント開催がピンチだった!(笑)前日は大阪から福岡入りし、深夜1時に高島市長と会談。その足でこのイベント開催時刻の午後3時に羽田空港に到着した猪木。「高島君は俺のイラク人質解放に影響されて政界入りを決めたという人。昨年、市長選出馬を俺に相談してきたから、『行け~!!』と言ったら当選した。」と語った。高島市長は、昨年11月に36歳の若さで福岡市長となった元プロレス実況アナウンサー。九州朝日放送時代に地方局アナでは異例となるテレビ朝日系『ワールドプロレスリング』実況を担当。故橋本真也さんの告別式では司会を務め、涙の絶叫で知られる筋金入りの“プロレス市長”である。
その為、3時の定刻には飲み物と軽食で歓談時間とし、流氏が最近のレスラーの動向等のトークを披露するも全く反応なし。山口雅史アナと流智美氏が司会を務め、アントニオ小猪木がトークを開始するも、集まった筋金入りの年齢層の高い猪木信者たちからの反応は全くなし。何しろ司会者よりもファンの方が猪木の歴史には詳しいのだから、話すこと全てが空振り。小猪木が「猪木さんが来たら、大イノキコールをお願いします」と言うも無反応。(笑)流氏の言う通り、そもそも猪木コールは昭和53年5月30日の大阪府立体育会館における、第1回MSGシリーズ優勝戦において、自然発生的に初めて起きたもの。(阪神の選手を球場で応援する乗りが持ち込まれた?)小猪木が観戦した時には当たり前のようにあった猪木コールも、この日集まったファンには無縁だったかも知れないのです。
重い空気が流れる中、この日の猪木の体調を慮って駆け付けた藤原喜明がテーマ曲に乗って登場。猪木の到着までトークを繰り広げた。この組長のトークには、集まったコアなファンも熱心に聞き入り、ガラリと会場の雰囲気が変わった。猪木の付き人時代のエピソードや猪木―アリ戦について熱く語った。また、猪木と元カメラマンの女性(52)との仲を報じた今月発売の女性誌の記事に触れ、「今日集まってるファンくらいの大人なら分かるでしょう。スーパースターって言うのはさ、大変なんだよ。強い男には支えてくれる人が必要なんだよ。アントン、野菜を食べないとダメだよって健康を管理してくれたり、言いにくいことを言ってくれる人が必要なんだ。まったく、くだらねえ事書きやがって!」と、不倫のバックアップ発言も。しかし、この件については、猪木や業界の関係者には周知の事実であり、今回の報道については事の善悪よりも、猪木は何らかの事情ではめられたという意味合いの方が強かったと、私などは認識しています。
そしていよいよ猪木が駐車場に到着という一報が入るやいなや、藤原はエレベーター前に向かい、付き人時代のように直立不動で猪木の到着待ち。羽田から直行して来た、1時間少し遅れの猪木は、予想を裏切る熱い猪木コールに迎えられるや開口一番、「元気ですかー!」と猪木節をさく裂。その声の張りは全く元気そのものだった。この日の会場のファンは、北は北海道から、南は九州・沖縄まで全国から集まったということを聞いた猪木は、「バカだね~。おれならふぐを食うけどね」と猪木らしいジョークで会場を茶化した。そして2007年に胃がん手術から現役に復帰した藤原は「お前が先に逝くはずだったんだとか言うんだもん。ひどいよね(笑)。猪木さん、胆のうをとったらしいですね」と病気について振ると、「病気の話はするな。もう十分に“堪能”した」と軽口をたたくなど、相変わらずの絶“口”調だった。猪木の登場で会場の空気が引き締まるあたりは、猪木の面目躍如といった所。さすがとしか言いようがない。
猪木の体調を気遣ってか、この日の猪木・藤原の師弟イベントは何と屋駆除18年ぶりで、時の経つのは屋早いものだと痛感。
新年を迎えた猪木は、急性胆のう炎の入院だけでなく、一部週刊誌で、猪木の側近として知る人ぞ知る存在だった巨乳熟女とのお泊り報道をされてしまうなど、さんざんなる年明けとなってしまったが、「病気、週刊誌にも載ったりいろいろあったけど、起きたことは全て良し。6キロくらいやせたからひざが楽だよね。とび蹴りくらいできそうだね」とポジティブなコメントで跳ぶふりをするなど、ファンを安心させようとする猪木。
しかし、ワインをグビグビ飲む藤原の姿を見て、「おれは酒と女はやめた。でも昨日は飲んだけどね(笑)。こういう商売をしてるとしょうがないよね。いつ何どきでも、どんな挑戦でも受ける。女の子でも、抱いてって言われたら抱かなきゃな」とコメントするなど、サービス精神旺盛な猪木トークを終始展開。その後は最後の猪木―藤原戦の試合を藤原と見ながら、スリーパーを決められた時の防御の裏技について語ったり、最近の若い選手は基本を知らないし、こういうレスリングが出来ないと、ファンを実験台にフェイスロックを披露するなどした。
「今回のDVDが最後になるかもしれないですね」と毒づく藤原に「追悼のDVDがまだあるよ」とかぶせるなど、2人は終始“口撃対決”を繰り広げた。「俺は切符売りのオジサン」と言う猪木は、この後まだ岐阜、営業先の福岡にトンボ返り。さらに翌日は岡山へ。退院後も休む暇はない。最後はお約束の「1・2・3・ダァーッ!」の唱和で、イベントは幕を閉じた。猪木は1秒を惜しむように会場を後にした。