青春タイムトラベル ~ 昭和の街角

昭和・平成 ~良き時代の「街の景色」がここにあります。

なぜ“クイーン”が大ヒットしているのか?

2019-01-15 | 青春の音盤

映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒット中です。先日はアカデミー賞の前哨戦とも言うべき、ゴールデン・グローブ賞において作品賞と主演男優賞の2冠も獲得し、その勢いは止まりません。映画のヒットだけではなく、サントラ盤やクイーンのCDも売れていますし、中古アナログレコードなど軒並み値上がりの上、店頭から姿を消すほど売れています。

僕が11月、封切り2日目にこの映画を観に行った時は、まだ客席はガラガラ。「こういう映画は早く見ておかないとすぐに打ち切りになるから、早く来ておいて良かった」・・・なんて感想を友人にもらしていました。しかし、その時、既にヒットの兆しはありました。館内のお客は、僕のようにリアルタイムでクイーンを聞いた年寄りばかりではなく、大学生と言うより、高校生にしか見えないような女の子たちが客席に目立っており、その光景にすごく違和感を持ちました。どうして、こんな若い子が観に来ているのだろうと。

そこからは口コミでどんどん観客を動員し、クイーンは今、ブームになっていると言っても過言ではありません。CD、レコード、DVDだけではなく、廃刊になって中古で数万円も出さないと入手できないような本が、続々と復刊していますし、これから発売になるものもあります。

クイーンは70年代から活躍を始め、80年代も売れたグループですが、それがなぜ今、またまた大ブームを巻き起こしているのでしょう?

実はクイーンのブームはリアルタイムでのブームの後、今回の「ボヘミアン・ラプソディ」によるブームが起きる以前にも何度かありました。91年にリード・ボーカルのフレディ・マーキュリーが亡くなり、グループが事実上活動停止になった時もそうでしたし、2004年に木村拓哉主演のドラマ「プライド」で、クイーンの楽曲が取り上げられた時も、「ボーン・トゥ・ラブ・ユー」が口火を切り、「ジュエルズ」というクイーンのベストがミリオン・ヒット、さらにゴールドディスク大賞も受賞しました。

「コンピュータゲーム1stジェネレーション以下の世代」がちょうど成人するか、その少し前あたりから、クイーンは再び売れ始めています

コンピュータゲーム1stジェネレーション以下の世代(74年以降に生まれた世代)は、幼少期からこの機械的で正確なテンポ感に親しんでいます。全く普通の人たちでも音楽を聴くとき無意識のうちに体内でチ・チ・チ・チとクリック音が鳴っている。だから、クリックが希薄だった時代の音楽、例えば70年代のロックに驚き、新鮮に感じ、強く惹かれる若者層が出てくるのも、理に適っているのではないでしょうか?

僕は昔から洋楽が大好きでしたが、2000年を迎え音楽が、例えば、貧乏な欧米の若者たちがとにかくパーティで何時間でも流しっぱなしにするために生み出したラップミュージックなどが音楽シーンの主流になった時、クイーンだけではなく、もう70年代ロックなんて今の若い人には流行らないと考えていました。それが今、空前のヒットになっている。

邦楽でも昭和歌謡のような、歌詞に意味が込められていた奥深い音楽が、もう1度ヒットし、音楽が個人でイヤフォンから聴くものから、大勢でスピーカーから聴く時代に戻ってほしいと願っています。老若男女・大勢が一緒に音楽を聴き、時代を代表する音楽が生まれていく。それが温かい人間社会の復権につながると考えます。

 

久々の大ヒット!“アリー”と“ボヘミアン・ラプソディ”

2019-01-03 | 青春の音盤

全国的に、クイーンを描いた映画「ボヘミアン・ラプソディ」が大ヒットしています。第三次クイーン・ブーム等という声も聞きます。映画館では確かに「あれ、この子たちスクリーンを間違えていない?」というような若い女性たちが、ボヘミアンを上映している劇場に入って行く姿を見ることが出来ます。

11月初旬に封切ってから、今もロングラン中。しかも大阪はTOHOシネマズ梅田の最も大きいスクリーン1を占拠しているのは、今日の時点でも「ボヘミアン・ラプソディ」でした。口コミで大ヒットした好事例です。勿論僕もこの映画を楽しみましたが、今日は「スター誕生」を見るために劇場に足を運びました。

ところが「アリー:スター誕生」は、12月21日にお正月映画として公開した作品。しかも監督・主演がブラッドリー・クーパー。作品は名作スター誕生の3度目のリメイク。音楽もレディー・ガガが、これまでのイメージを一新するような名曲を提供しています。にも拘わらず、本来スター誕生が使うハズのスクリーンをボヘミアンに奪われたままで、その半分のキャパのスクリーン2さえ、半分しか客席が埋まっていません。

おまけに大阪のタワーレコードでは、クイーンのCDコーナーが拡大されており、セールスが大好調!「すごいな~」と、思わず感心してしまいました。レディー・ガガって日本でも超有名なのに、もはや配信に押されて、CDセールスには結びつかないのでしょうか?少し前にリリースした、トニー・ベネットとのデュエットのスタンダードジャズ・アルバムは感心したのですが・・・

洋楽関係のヒットが日本では今ではすっかり無くなってしまったので、このクイーンのブームは嬉しいですし、スター誕生の音楽も素晴らしいものですので、ぜひ一人でも多くの方に聴いて頂きたいと思います。そして、どんな意味の歌だろうと、英語に興味を持ってくれる若者が一人でも出てきてくれると嬉しいですね。

私はこの曲が一押しです!アカデミーの歌曲賞を持って行きそうですよ!