カッコいい服を着てそれがもとで死ぬことはないけど、
カッコいいつもりでオートバイに乗っていて死んでしまうことがある。
オートバイはファッションじゃないからね。
カッコいい、ってだけじゃあ後悔することもある。
死んでもいいとは思ってないけど、死ぬこともあると覚悟している。
そんなオートバイが好きだ。
だから路上では、すべてを見切って走ることが大切だけど、
このごろ、稀に勢いだけでコーナーへ入っていく自分に気付いて、
齢をとったな、と我ながら呆れている。
もっとスピードを落とさないとすべてを見切れなくなってきている。
とはいっても、キミよりはまだ速く走れるけどな。
ムルティストラーダでイン側の足出してるヒマあったら
ノーマルのダブルにちゃんとついてきなよ。
〇
銀じぃ(’81R100RS)が車検から戻ってきた。
そうそう前からお願いしといた6速クロスミッション。
やっと念願かなって取り付けてもらったよー!
って、頼んでないし・・・
いつの間にか6速ミッションになってました。
車検っていい加減だよ。
このシールが無いと車検に通らないのに、貼ってあれば何でもいいんだから。
RTのシールなんて逆さまに貼ってあって、レーサーのパターンになってたよ。
今回はフロントフォークのオーバーホールがメイン。
前にいつ換えたかわからないオイルを交換して分解整備してもらった。
ホイールベース位の長さの窪みにはまるとバゴーンと吹っ飛んでいたんだけど、
シュコンッ、と一発で収束してやり過ごす、サスペンションの機能を取り戻した。
これには正直ちょっとびっくり。
リアサスはオーバーホールできないのでどうしようか?
なんて思ってたら、上手い具合に(?)シールが抜けてオイルだらだら。
いよいようれしいリプレイスの予感がしてきた。
というか、リアサス交換しなければ(must)だよ。
〇
元ディーラー(今はカワサキのショップ、なのにダブルを赤男爵で買っちまって、ボクの株
だだ下がり)で引き取って、そのまま浜名湖方面へ走りに出た。
タペットの調整をしてもらったので、メカノイズに耳を澄ましてそれを記憶する。
左側がちょっと詰まっていたらしい。
冬にテックモーターサイクルでタイヤ換えた時にも「詰まってるかな」と云われたから
そうなんでしょう。メカニックはすごいね、音で聞き分けるんだから。
たしかに、今日はいいメカノイズ出してる。
4000rpmのタペット音はうっとりする響きだ。
のんびり浜名湖を流した後、山へ入る。
県道303号線(静岡県・新城引佐線)でくねくねと奥山を経て、
その先の県道81号線(静岡県・豊橋下吉田線)で鳳来を目指す。
九十九折ではそれ程感じなかったけど、どうもタイヤの空気圧が高いッポイ。
少しスピードの出るワインディングでそれは確信に変わった。
深くバンクするとちっとも起き上がってこないのだ。
すごく寝たがるけど、バンキングだけでは舵角を付けず、
旋回しだすと、こんどは起き上がろうとしない。
これは空気圧が高すぎるときの特徴だ。(メッツラーのパーフェクト19インチ限定)
オートバイに積んでるペン型のゲージで計ってみたらリアが2.4くらい入ってた。
その場でシュパーーーーーーッと抜きまくって1.8まで下げる。
フロントは2.2くらいなのを1.9へ下げた。
うーーーん、これこれ、やっぱグニャグニャくらいが丁度いい。
バンキングと舵角の付き方が自然で、なによりコントロールしやすい。
低すぎるかなとも思うけど、/7系のマニュアルにも
ヘインズにも記載のある数値なので、一応、ノーマルなセッティングとも云える。
あ、そうそう山の中のワインディングでR100Sのリミテッドエディションと擦れ違った。
ボクの持ってる洋書には、not great succes(すんゲェー成功とまでいかない)
とまで解説に書かれていたけど、なかなかどうして、
極東アジアの山の中で見ると、なんとも素敵な塩梅ですよ、あれ。
OHVのRって、じいさんに良く似合う。
白いアゴヒゲが良く似合う激シブGGライダーだったな。
うらやましい。
オートバイのカッコ良さって、ファッションじゃあない本物のカッコ良さだ。
憧れだけでは手に入らないし、ましてや何処にも売ってない。
お金で買えないもの。
本当に手に入れるべきものは、お金では買えないものだ。
カーナビでも、ブルートゥースインカムでも、ハンディカムでもない。
走るように生きること。
生きるように走ること。
オートバイ乗りは生涯をかけて走ることの意味を探し続ける。
ボクたちはなぜオートバイで走るのか。
〇
先日、JRのリニア鉄道館へ行ったとき、
古い機関車たちが幾重にも塗装を塗り重ねられて
みんなに大切に使われていた姿にものすごく心打たれた。
銀じぃもあちこちに錆が出てきている。
表面の錆を削って、ペンキを塗り重ねる。
見栄えは悪いけど、なんとなくボクは気に入っている。
あと何年、銀ジィに乗ってやれるのか分からないけど、
ボクと銀ジィの寿命は似通っているような気がする。
まさにいい相棒だ。
いつまでもダサいおっさんだけど、いつか御前のようにカッコ良くなって見せるぜ。
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