ソロツーリストの旅ログ

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振り返ってみるとオートバイがいちばん好きだった

どこへも行かない 林望先生編

2006年09月26日 | 日記・エッセイ・コラム

この林望先生は旅の達人(ホントは大学の先生)。

先生の著書の中に「どこへも行かない」旅、というのがある。

どこへも行かない、というのは「観光地」や「催し」とかを目指して行かないということで、つまり目的地が無いということ。目的地が無い旅とは何かというと、旅の道程こそを楽しむということらしい。

先生はとくに、ヤバそうな林道や畦道がお好きなようで、レンタカーのアンダーボディをこするような深い轍の道へ、あえて突き進む。

その先にあるのは朽ちた廃屋であったり、一面の芥子の花畑だったり・・・。

こういうやり方で旅するのは、相当時間に余裕がいるし、感性にもたいそう特殊なベクトルが必要かも。

感性といえば、やはり人それぞれ。その時の精神状態にも左右されるもの。こういうことがあった。津軽を旅したとき、旅の後半でボクは「十三湖」へ立ち寄った。

太宰の紀行文「津軽」の終盤に「十三湖」を描写した一節がある。彼は混雑したバスの車窓からの眺めを「風景の一歩手前のもので、少しも旅人と会話しない・・・、人に捨てられた、孤独の水溜りである云々」と記述した。

けれど、実際ボクがそこで見た「十三湖」は、穏やかな岸辺が続く、開放的な様子がとても美しく、津軽を代表するひとつの原風景だと感じた。

林望先生だったらどうなんだろう。・・・きっと嫌いだろうな。「しじみラーメン」ののぼりがうるさすぎる。

旅は自分の感性が、どこいら辺に在るか教えてくれそうだ。


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