最近、使っているオーディオ機器のいくつかを買い替えた。
一例をあげれば、レコードから拾い上げたアナログ(音楽)情報を、所定の大きさに増幅するとともに録音時強調した特性を補正する「イコライザーアンプ」が必要で、これを買い替えた。
従来は、この目的にトランスを使用していたのだが、これをアンプに交換するために数か所の小売店と(メールで)交渉した。
その際、担当の売り子たちの商売っ気のなさにあきれる思いがした。
つまり、買い手の買い替えの動機やニーズに無頓着に、「買え買え」と言い募るばかりで、一向に会話が成り立たないのだ。
要は、売る哲学を持ち合わせていないのだ。
買い手が、この機材を買い求める理由は何か、また、そのニーズを満たす機材にはこれとこれがあり、それぞれどのような特徴があるがどちらを希望するか等々、お客の求めに寄り添う気がまるでない。
これらの商哲学は、自然に身につくものではないから、要は、店主や先輩たちが、これを教えていないのではないか。
コロナ禍の下、これではますます商売は先細りになってしまうに違いない。
急がば回れの例え通り、現下の厳しい商環境を乗り越えるためには、お客のニーズに寄り添うことから始めなければならないだろう。