アーバンライフの愉しみ

北海道札幌近郊の暮らしの様子をお伝えしています。

孤独な場所探し~高山羽根子著「首里の馬」

2020年08月17日 | 読書三昧

 

第163回令和2年上半期芥川賞受賞作。(他の1編は、遠野遥さんの「破局」)

沖縄の名もなき私設資料館に入り浸って成長した(孤独な)主人公が、これもまた孤独な人々に対し、リモートで謎々を送りつける仕事に従事するなど、常識ではとても理解できないようなシチュエーションの下、必死に生きていく姿がいじらしい。

途中から、主人公のかけがえのない友として、沖縄特産の「宮古馬」が登場。
なにやらユーモラスな要素もあり、(作者の手練手管にのせられて)最後まで読まされてしまうのだが、後にはまぁ何も残らないという(芥川賞受賞作らしからぬ)小説である。

登場人物が限られているせいか、視点が定まった文章は読みやすく且つ、シリアスにならないのが良い。

 

 

 

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