「文學界」02年2・5・10月及び、「新潮」02年10月掲載の表題作を含む短編4編を収める、208頁。
英国の老舗スピーカーメーカーのタンノイ。
その中堅モデルの「エジンバラ」を、小生も10年ほど使っていたので他人事とは思えず、本書を購入て読んだがあまり面白くなかった。
小生は不案内だが、著者は第126回芥川賞の受賞者。
故に、力のある人だと思うが、この短編集を読むかぎり個々の表現には秀でたものがあるが、個々の物語で著者は何を訴えたいのかよくわからなかった。
スピーカーそれ自体についても、引き取り手がなかったという理由でそこにあった親父の形見が、たまたまた「タンノイのエジンバラ」だったというのではちょっと寂しすぎる。
写真は、タンノイ社製「エジンバラ」