書き下ろし、徳間書店刊、249頁
江戸中期、尾張徳川藩定府藩士の小四郎は、学問に優れ切れ者としてグズばかりの藩士の面倒をみていたが、突然松茸増産の命を受け、3年間国元へ派遣されることになった。
しかし、松茸とはどういう存在か、どのように生え育つものか見当もつかぬまま故郷の山に入り、松林を彷徨するも結果を出すことが出来ぬまま月日は過ぎていく・・・。
ニセコに住んでいた頃、ラクヨウ(カラマツタケ)という食用キノコを採っていたので、キノコには親近感があり興味深く読んだ。
兎に角、その主人公の松茸と格闘する様がとても良く描かれ面白い。面白くなければ小説ではないと思わせる出来である。ご一読をお勧めします。(お勧め度:★★★)