第2部 午後4時開演
鶊山姫捨松(ひばりやまひめすてのまつ)
中将姫雪責の段
近松門左衛門=作
女殺油地獄
徳庵堤の段
河内屋内の段
豊島屋油店の段
●鶊山姫捨松
これも見取りでの上演ですが、そもそもほぼこの段だけの上演が多いようです。
前後がなくてもこれはこれで面白い。あんまり何故?を考えなくていいから。
継子いじめなのですが、姫の人形は文楽最長老の蓑助さんが遣います。雪の中で長じゅばん姿になっていたぶられる姫!と遣う蓑助さんの頭にも雪が積もる…。
終わりがよい。うむ。
●女殺油地獄
終わりが悪いといえばこれだ。救いがないものね。
しかし、ですよ。これもよくできてる。近松、天才やなと思いました。
実際にあった殺人事件を題材にしているけどどこまでがほんまのことかは分かりません。
人形浄瑠璃で上演後は評判芳しくなくしばらく上演は途絶え、明治になって文学として再評価され昭和になり再上演となったそうです。
後味悪すぎるし、最初の上演が評判よくなかったのは分かる気がします。
バカ息子、手を差し伸べてくれる人が周りにいるのにどんどん悪い方に進んでいく。
前は不条理だ、と思ったけど、ちょっと調子がええだけの中身のない人間・与兵衛。すかっすかの人間性と対比してそんな奴でも愛してくれる人たち。いや、だから甘やかしてはいけなかったのか?母親が渡してほしいと用意するお金と粽が切ない。いつまでも、母親は子を想う。
殺されようとする母親も子を想う。バカ息子は自分の親父が可愛そうだからと殺すのだが、そこにあるのは自己愛に過ぎず、実は特別猟奇的な人間ではないんだと思う。
今回も息苦しい時間をありがとう、近松。
鶊山姫捨松(ひばりやまひめすてのまつ)
中将姫雪責の段
近松門左衛門=作
女殺油地獄
徳庵堤の段
河内屋内の段
豊島屋油店の段
●鶊山姫捨松
これも見取りでの上演ですが、そもそもほぼこの段だけの上演が多いようです。
前後がなくてもこれはこれで面白い。あんまり何故?を考えなくていいから。
継子いじめなのですが、姫の人形は文楽最長老の蓑助さんが遣います。雪の中で長じゅばん姿になっていたぶられる姫!と遣う蓑助さんの頭にも雪が積もる…。
終わりがよい。うむ。
●女殺油地獄
終わりが悪いといえばこれだ。救いがないものね。
しかし、ですよ。これもよくできてる。近松、天才やなと思いました。
実際にあった殺人事件を題材にしているけどどこまでがほんまのことかは分かりません。
人形浄瑠璃で上演後は評判芳しくなくしばらく上演は途絶え、明治になって文学として再評価され昭和になり再上演となったそうです。
後味悪すぎるし、最初の上演が評判よくなかったのは分かる気がします。
バカ息子、手を差し伸べてくれる人が周りにいるのにどんどん悪い方に進んでいく。
前は不条理だ、と思ったけど、ちょっと調子がええだけの中身のない人間・与兵衛。すかっすかの人間性と対比してそんな奴でも愛してくれる人たち。いや、だから甘やかしてはいけなかったのか?母親が渡してほしいと用意するお金と粽が切ない。いつまでも、母親は子を想う。
殺されようとする母親も子を想う。バカ息子は自分の親父が可愛そうだからと殺すのだが、そこにあるのは自己愛に過ぎず、実は特別猟奇的な人間ではないんだと思う。
今回も息苦しい時間をありがとう、近松。