“He abused me, he laughed at me, he struck me.” Thus one thinks and so long as one retains such thoughts one's anger continues.
Anger will never disappear so long as there are thoughts of resentment in the mind. Anger will disappear just as soon as thoughts of resentment are forgotten.
哲学者の鶴見俊輔さんは著書『思い出袋』(岩波新書)に、知っているけれどわざと使わない言葉がある、として次のように述べておられます。
「20歳以降、日本に帰ってからの長い年月、「あなたを誇りに思う」などと私に向かって言う人はいなかったし、私から他人に向かって言ったこともない。記憶にない。でもそう言いたいと思うことはあった。」
そしてそのうちの一回について、次のように語っています。
「もう一度は、松本サリン事件で最初に容疑者とされた河野義行が、自分の無実を警察に対して主張し、自分の妻がサリンのために昏睡状態となり、その状態の続く中で、オウム真理教団に対して破防法が適用されることに反対したとき。こういう人が日本人のなかにいることを、同じ日本人として誇りに思った。」
河野さんは、死刑囚となったオウム信者と今も交流を続けておられ、ある元信者には自宅の鍵まで託されて、庭の手入れを任されているそうです。また、長野県警の幹部とも親しい交流を保っておられるともいわれます。
悔悛の情を示し別人格になったことをもって人を赦すのではない、そのようなものとは全く違う、圧倒的な赦しの意思が、ここにはあります。自分にはとうていできないかもしれないけれども、この人がいてくれるおかげで、自分も真似てみることくらいはできるかもしれない。そう思ったとき「あなたを誇りに思う」という言葉が口をついて出てくるのでしょう。
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以前河野義行さんの講演を聞いたことがあります。
オウムが逮捕されなければ、自分はそのまま
逮捕されていたとおしゃっていました。
無実の人間も逮捕できるって怖いです。
当時はマスコミを信じ、この方が
犯人と自分も思い込んでいました。