好奇心旺盛なおばさんのワクワク日記

勉学優先のセン業主婦!
遠くに見える富士山を眺めつつ、ワクワクしながら学習などにいそしむ日々を書き綴っています

国会図書館の近代デジタルライブラリー

2013-07-26 20:30:15 | 参考文献
手元の『大言海』のデータは、見出し語ごとの語種が記されているだけです。語の説明を読む必要のある時には、やはり地元の図書館に出向かなくてはなりません。
しかし、この暑さの中外出をしたくはないのでネットで検索したところ、国会図書館の近代デジタルライブラリーで第3(せ~は)・第4巻(ひ~を)のデジタルデータを閲覧できることがわかりました。

「被為(さっしゃる)」「被為入(いらっしゃる)」の用例の確認をしたかったのですが、残念ながらできませんでした。
「被成(なさる)」の確認はできました。

                

見出し語の下に活用形が記されていますが終止形は見出し語と同じなので表示せず、「連体・已然・未然・連用・命令」の順になっているそうです。これはちょっとわかり分かりづらいですね。

「語法指南」が、『言海』では序の後ろにありますが、『大言海』では第4巻の巻末にありました。この「語法指南」は、1890年に教科書として単独刊行されているのですね。現在の文法書とは用語なども違っているのでなかなか面白いです。

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『馬琴日記』 「嘉永元年戊申日記」(昨夜分修整しました)

2013-07-26 10:16:07 | 漢文・漢字
先日、「被召上」の「被」の訓読について聞かれました。馬琴の文章からの引用らしく、調べてみると『馬琴日記』 「嘉永元年戊申日記」11月6日の一節でした。

この「嘉永元年戊申日記」の文章は漢字・ひらがな・カタカナまじり、訓仮名あり、返読する部分ありで、又「被」が何箇所も使われており大変不思議に思いました。
曲亭馬琴の名は知っていますが作品は読んだことが無く、図書館から該当箇所の記載がある『曲亭馬琴日記 第4巻』を借りて来ました。
以下の部分が11月6日の該当箇所です。

昨夜より家翁御容体御不出来ニ而、御胸痛・御煩悶甚敷、少も横ニ被為臥候こと被成がたく、御煩悶度々ニ付、御薬・竹歴等、少々ヅヽ度々被召上、八ツ時頃より、少々納候御様子ニ而、被為臥候所、無程、御煩悶甚敷、終ニ御養生不被為叶、今朝寅ノ上刻、御息絶被成候。種々薬種・医等、手を尽すと云ども、其詮なく、終ニ御遠行被為成候事、御老年とは乍申、歎息此外有べからず。早速、御床北向ニ相直し、御香花、其外とも奉備。一同歎此上有べからず、拝し畢る。

送り仮名を適宜補い、返読部分も読み下してみました。

昨夜より家翁ご容体お不出来にて、ご胸痛・ご煩悶甚しく、少しも横に臥され候こと成されがたく、ご煩悶度々に付き、お薬・竹歴等、少々づつ度々召し上がられ、八つ時頃より、少々納まり候ご様子にて、臥され候ところ、程なく、ご煩悶甚しく、終にご養生叶ひなされず、今朝寅の上刻、お息絶え成され候。種々薬種・医等、手を尽くすといへども、其の詮なく、終にご遠行成され候事、ご老年とは申しながら、歎息此のほか有るべからず。早速、お床北向きに相直し、ご香花(こうげ)、其のほかとも備え奉る。一同の歎き此のうへ有るべからず、拝し畢る。

訓読文を見直していてどうしても「被」の多いことが気になり、もしかして慣用的な読み方が有るのではないかとQGREPで「被為」を検索してみました。
なんと、『大言海』に【被為入】「いらっしゃる」、【被為】「さっしゃる」がありました。
引いて良かった! このような表記の仕方が有るなんて・・・ 

「被為臥候」は、「臥さっしゃれ候」
「不被為叶」は、「叶っしゃらず候」

これに従って上記のように訓読文を直し、スッキリした! と、思ったのですが、再度ネットで検索したところ以下の文章を見つけました。

「被為仰付候」で「仰せ付け為され候」とよみます

「さっしゃる」は話言葉だと思いますので、日記の場合には不適当かなと考えなおし、最初に訓んだ言葉に直しました。
近世語との出会いは初めてで、難しいですねぇ~~~ 


(追記:「被」は、漢文では受身を表しますが、近世語としては尊敬を表すのでしょうか? 古文の「る・らる」は受身・尊敬を表しますが、其の用法から引申して「被」を尊敬表現に使っているのでしょうか?
「被召上」の「被」(受身)は、「召し上がらる」(終止形)と訓読し、口語訳では「召し上がっていただく」となると思ったのですが、単なる尊敬語と捉えて「召し上がる」でいいのでしょうか? 
「召し上がる」自体が尊敬語ですので、その語に尊敬語としての「被」を付けては二重敬語になってしまうと思うのですが?)

って、どなたに対する問いかけなの? 
訓読の間違いにお気付きの方がいらっしゃいましたら、どうぞお教えくださいませ。 

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