経済危機に直面しているスリランカの首相が5日、議会で演説し、国の「破産」を宣言したという驚きのニュースが流れた。燃料が極度に不足しており、危機的状況は来年も続く見通しで、混乱の長期化は必至というから事態は深刻そうである。首相は、議会で8月末までに、国際通貨基金(IMF)に対し、金融支援を得るための債務再編計画を提出とも表明したようである。インフレ率も60%に達する見通しであるようで、スリランカ経済は、完全に崩壊状態にあるようである。
どうも背景のニュースを見ていると中国の影がちらつく。スリランカは、中国に「借金漬け」にされた形でデフォルト(債務不履行)に陥ったようである。スリランカは、中国の一帯一路の政策に従い、無謀なインフラ整備で債務を膨らませてきたようで、5月には首相も交代させられていたようである。経済危機に対処できない政府に対する抗議デモも頻発しているようである。
スリランカがデフォルトに陥っていることは全く知らなかったが、スリランカには知人もおり、出張で訪問したこともあり、親しみのある国の一つであったので、ビックリするとともに残念である。今や治安も悪くなっているようで、旅行での再訪は困難と思われる。スリランカに行ったのは、2002年8月で、陸上競技のアジア選手権・総会がコロンボで開催され、そこに役員として参加したものである。あれからもう20年も経っているというから、時の流れを痛感する。
大会・会議の合間を見て、聖地キャンディやシーギリヤロックの世界遺産、ダンブッラ石窟寺院などにも足を運んだ。特に、シーギリヤロックは、大きな岩の頂上にかっては宮殿が建てられており、また、岩の途中には、裸の美女のフレスコ画が描かれているので、有名な観光地となっている。観光地としては、大変魅力を感じたが、当時、道路は整備されておらず、信号機もほとんどなく、日本のバスがそのままの姿で運行されているのを見て、貧しい国である印象は強く持っていたが、まさか、中国にそそのかされて、デフォルトの憂き目にあうとは残念な話である。何とか国家として復活してほしいものである。
ただ、7日のニュースでは、大統領がロシアに支援を求めている旨の報道があり、いろいろ問題もありそうである。大統領が問題という情報もあるので、しっかり事実関係を見極めていく必要がありそうである。
時事ドットコムニュース(7/6): https://www.jiji.com/jc/article?k=2022070600906&g=int
スリランカ旅行アルバム: https://youtu.be/7q054KUIB1o