9月18日、中国の深圳市で深圳日本人学校に登校中の男子児童が、中国人の男に刺されて死亡するという痛ましい事件がはっせいしたが、市政府は20日、地元警察の捜査の結果、「偶発的な事件」だったと発表し、動機には言及しなかった。9月18日というのは、中国では、「国恥日」といって、柳条湖事件(瀋陽市近郊の柳条湖付近で、関東軍(日本軍)が南満洲鉄道の線路を爆破した事件)が発生した日で、単なる偶発的な事件ということはあり得ないと思われるが、日本人を狙った事件ではないと示唆することで、早急な幕引きを図ろうとする狙いが見え見えである。
深圳といえば、1996年9月に、孫文の故郷でもある中山市で行われたインターライン卓球大会に参加した際、日帰り観光で訪れたことがある。当時から、経済特区として産業が繁栄し、日本企業も進出していたと思われる。観光地ではないが、錦繡中華という中国の名所旧跡のミニチュアが並ぶテーマパークと中国民俗文化村を皆で訪れた。中山からバスで出発し、途中フェリーに乗り継いで行ったが、のどかな港町という印象であった。そんな経済特区にある日本人学校で起きた事件なので、中国といっても違和感を感じる。
中国と日本とは政治的には大変難しい関係にあり、一部の中国人は、いまだに強い反日感情を持っている人も少なくないのかも知れないが、個人的にお付き合いのあった中国人にはそんな印象はなく、中国自体についてはその歴史や大自然から興味深いものがある。しかし、今の中国共産党、特に習近平体制については、疑問を感じるので、もっと友好関係が築かれることを強く望むものである。個人的には、卓球というスポーツを通じて、経験したり、感じたりした中国を大切にしたいと思う。
写真は、錦繡中華のミニチュア村