人ってこれほどまでに残酷になるというのは、一体なんなのだろう。
温和だったひとも、戦争や、環境によって、残忍なことを平気でするようになるらしい。
ある実験で、
普通の人をふたつのグループにわけて、
一方は、囚人、もう一方は、看守の役にして過ごさせたら、看守役は、囚人を虐待したり、
偉ぶったり、囚人は、びくびくと看守役のことを見るようになったりし、
模擬の関係を続けることが極度に困難となり、中止に追い込まれた事態に至ったことがあるといういう
実験のことを、何かで聞いたことがある。
人は、環境に順応(ヒトには限らないことかもしれない)していく遺伝子があるのかもしれない。
置かれた環境のなかで、生き抜いていく。
民を束ねていく。
平定させる。
そういう、さずかったかもしれない役割を全うさせるための、手段は、生き延びるための知恵かもしれない。
そして、そのなかには、親、兄妹、親戚などへの容赦のない仕打ちともなっていくのかもしれない。
平和が、人の心をも平和にし、他人への思いやりや気配りにも向き、皆が、住み良くなっていくというものなのかもしれない。
あの名将たちの狂気の謎
濱田浩一郎
中経の文庫