歌舞伎の面白さは、セリフのリズム。
独特な言い回しは、見ているものを魅了する。
名台詞を真似することで、その役になったつもりで、別の人になれるというのが
演者の楽しみ。
独特な歌舞伎の節回しは、演じやすい助けにもなっているのかもしれない。
歌でもそうだが、セリフは、抑揚なく、羅列したのでは、演技さえも、上手には見えない。
合唱でも、歌の言葉は会話とは違う、発音を要する。
名演の人、言葉を発する人のしゃべりも、アクセントや、強調の仕方などが、様々に変わっていることがわかる。
台詞に心を込めなければ、感動は与えられない。
歌舞伎の名セリフ
中村勘太郎
光文社