「あだ名禁止」「さん付け奨励」、小学校で増加、子育て世代の思いは?
2022/06/18 06:10
(オトナンサー)
近年、友達を「さん付け」で呼ぶことを奨励する小学校が増えています。中には、「あだ名呼び」を禁止にしたり、「さん付け」奨励を校則に明記したりする小学校もあるようです。あらゆる場面で「さん付け」を奨励する風潮を、子どもの頃にそうした経験をしていないであろう親世代は、どう感じているのでしょうか。賛否ある意見の中から幾つかを紹介します。
「違和感覚える」人多く
今回、取材対象にした、30代、40代の人たちは、授業中など教師がいる場面では「君付け」、あるいは「さん付け」で呼び、友達同士だけの場面では「あだ名呼び」が当たり前だった世代です。そうした経験からか、「さん付け」の奨励に「違和感を覚える」という人が多かったです。
「子ども同士が『さん付け』で呼び合う姿を想像すると、どうもしっくり来ないというか、健全ではないというか…。大人は子どもを教育する義務があると思いますが、ある程度は子どもに任せるべきだとも思います。『さん付け』の奨励はその最たる例です」(39歳女性)
「『さん付け』限定にしたら、子どもたちが心を許せる友達として、きちんと仲良くなれるのか心配です。(あだ名が)人を傷つける可能性があり、『あだ名呼び』が禁止にされるのだと思いますが、逆に『あだ名呼び』で深まる友人関係もたくさんあります。少なくとも、私が子どもの頃には『あだ名呼びがあってよかった』と感じています」(34歳男性)
例えば、「あだ名呼び」を禁止しないが、「さん付け」を推奨している小学校では、その理由を(1)あだ名が『蔑称』となる可能性(2)児童が蔑称で呼ばれる可能性を低減する─などと説明しています。「さん付け」の推奨がもたらすプラスの効果は何通りか考えられますが、先述の通り、「あだ名呼びで起きる可能性がある悲劇を、未然に回避できるかもしれない」という点は、“さん付け”推奨学校では特に意識されているようです。
そうした「さん付け推奨」の理由に真っ向から反論する声もありました。
「『さん付け』にしただけで、いじめやひどいあだ名付けなど、子どもが子どもを傷つける機会をなくしたり、減らしたりできるのでしょうか。もし、教育関係者がそう考えているなら、非常に危険だと思います。うわべだけを取り繕って安心してしまえば、根本的な対策はなされないままだからです。
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