ガリガリ君の新商品、芸術の秋は大人狙い 赤城乳業「ギャップを楽しんで」
2022/09/01 17:37
(産経新聞)
チビッ子たちに大人気のアイスキャンディー「ガリガリ君」で知られる赤城乳業(埼玉県深谷市)は1日、秋の新商品「ガリガリ君リッチミルクミルク」と「大人なガリガリ君いちご」(6本入り)を発売した。いずれも「芸術の秋」をテーマに大人を意識した高級感あふれるシックな仕上がり。ファンの間では「イメージチェンジ?」とガリガリ君ファンの間で話題となっている。
美術館や写真館を疑似体験
ガリガリ君といえば、アイスキャンディーの〝不朽の名作〟。赤城乳業のサイトによれば、誕生のヒントは昭和39(1964)年に開発した、子供が遊びながら片手で食べられるかき氷という「赤城しぐれ」の大ヒットだった。55年、「赤城しぐれのような商品ができないか」とのコンセプトで商品開発が始まり、最終的に「かき氷にアイスキャンディーでコーティングすることで溶けにくく、棒が抜けない」ようにした現在のタイプにたどり着いたという。
さて、新商品の「ガリガリ君リッチミルクミルク」(税込410円)。その特徴は、ミルクアイスの中にガリガリとした食感の濃厚なミルクかき氷を盛り込んだアイスキャンディーだ。パッケージの表面は、「芸術の秋」をテーマに、油絵風のタッチで描かれた広大な牧場が銀色の額縁で飾られているデザイン。手にしたファンが美術館で絵画鑑賞を楽しむような気分になれる仕上がりにした。
一方、「大人なガリガリ君いちご」(税込410円)は、イチゴアイスの中に、ガリガリとした食感のジューシーなイチゴかき氷を入れたアイスキャンディーだ。美味しそうなイチゴの写真がパッケージ表面にアップでずしりと提示され、金色の額縁で装飾されている。こちらもやはり「芸術の秋」を意識したもので、「ガリガリ君」ファンは写真展の会場で作品を堪能しているかのような気持ちになるかもしれない。
大人向けへイメージチェンジ?
従来のファンにすれば、「ガリガリ君」が今回、大人向けの落ち着いた趣を醸すべくイメージチェンジを図ったのではないかとの印象を持つかもしれない。赤城乳業の広報担当は2商品を企画した狙いをこう語った。
「『ガリガリ君』という少し上質さとは離れたイメージの商品が、『芸術』の世界観で展開されれば、そのギャップが面白いのではないか。そのように考え、今回の企画を実施しました」
また、パッケージについては、「夏が終わってもアイス売り場を明るく彩り、『アイスを楽しみながら食べてほしい』という思いを込めて、秋を楽しめるものを考えた」という。
もっとも、赤城乳業は今回の布石になるような商品を直前の8月23日に〝再発売〟している。大人も楽しめる「大人なガリガリ君マンゴー」(税込108円)で、マンゴーアイスの中に、ジューシーなマンゴーかき氷を入れたアイスキャンディーだ。実はこの商品、約5年前にも発売されたのだが、当時はすぐ販売を終了してしまったという。
マンゴー果汁を33%と前回販売時よりも多く使ったほか、氷のサイズについても、通常の「ガリガリ君」より細かくすることで、子供たちが喜ぶようなガリガリとした食感をむしろ抑えている。マンゴー特有のねっとりとした食感とジューシーな味わいを表現した仕上がりは、大人を念頭に置いた「例えば、本物の高級チョコなど、素材そのものを楽しむ最近のアイスクリームのトレンド」(広報担当)を満たすものでもある。やはり従来のガリガリ君のイメージとのギャップを楽しむことができるだろう。
以下略ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー