巻き返しなるかー“コロナ前比1000店減”へ 閉店相次ぐファミレスの今後を専門家に聞く【ひるおび】
2022/09/07 13:00
(TBS NEWS DIG)
ファミリーレストランの閉店が相次ぎ、閉店時間も早まっています。
外食産業に詳しい専門家に、現状と今後の展望について聞きました。
外食産業に詳しい専門家に、現状と今後の展望について聞きました。
■ファミレス閉店が加速 コロナ前と比べ、1000店減少へ
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すかいらーくホールディングスによると、ガスト・ジョナサンなど約400店舗で、9月から閉店時間を最大1時間繰り上げるということです。
対象:夜間の利用客が大幅に減少している郊外や都心部の店舗
閉店時間:午後10時半または午後11時(30分〜1時間繰り上げ)
北関東など採算性が悪化した約100店舗を閉店するという情報も8月に発表されています。
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帝国データバンクの調査によると、不採算店舗の閉店や業態変更など、店舗整理の動きが加速しています。
店舗数の推移を見ると、コロナ前の2019年12月は9230店ありましたが、右肩下がりで減少し、2022年の6月には8420店。約800店減っています。
2023年の3月末には、コロナ前と比べ累計で1000店が減少し、8000店程になると予想されています。
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店舗数減少の理由としては、
▼リモートワークの普及で、繁華街やオフィス街を中心にサラリーマン客が戻らない
▼食品などの原材料費の高騰
▼アルバイトなどの人材確保が難しい
などが挙げられます。
■時代に合わせて変化するファミリーレストラン
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1970年、日本初のファミリーレストランとして、東京・国立に『すかいらーく第1号店』がオープンしました。
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当時のメニューには、スパゲッティやカレー、ハンバーグなどのメニューが、300円前後で並び、レストランが家族で楽しめる身近なものとなりました。
街の人はー
「給料日の後に連れて行ってくれるファミリーレストラン。そこで食べられるハンバーグステーキには思い出がいっぱいある」
その後、1990年代にファストフード店が台頭。さらにバブル崩壊による景気後退の波が押し寄せます。
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そこで誕生したのが、低価格が魅力の『ガスト』。
より低価格で、価値ある外食体験を提供するため、ファミレスにはなかった“ドリンクバー”や“呼び出しベル”を設置。
2014年の春からは“ちょい飲み”ブームの先駆けとして、アルコールメニューも充実。99円のアルコールなども展開させていきました。
2017年には、「おひとりさまの席」を試験的に導入。自由に使えるコンセントや無料のWi-Fiを設置し、1人の時間を楽しめる空間を提供しました。
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2020年以降、コロナ禍で外食産業が低迷する中、すかいらーくグループが新たな一手として乗り出したのが、「冷凍食品」。バーミヤンのチャーハンは、レンジで約4分温めるだけで、お店の味に。
ガストでは、5年連続金賞の『から好し』の唐揚げを、テイクアウトメニューとしても展開しました。
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コロナ禍で新たな試みを始めたファミレスは他にも。
『デニーズ』は、もともとあった店舗を改装。ドライブスルーでも注文ができる、テイクアウト・デリバリーの専門店を2020年にリニューアルオープンさせました。
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Food Watch Japan編集長 齋藤訓之氏:
ずっと同じ形ではなく、時代に合わせていろいろな形に変えやすいというのも、ファミリーレストランの特徴だと思います。
恵俊彰:
24時間やってますし、コーヒーおかわり何杯でもOKじゃないですか。
若手芸人時代によくファミリーレストランにお世話になってネタを作りました。“ファミリー”レストランなんですが、若者が使っている時代もありましたもんね。
齋藤訓之氏:
1970年に『すかいらーく』が最初にできた頃は、ファミリー層を中心にお客さんを集めたんですけど、ファミリーで体験した人が成長して自分の小遣いで利用できるようになったり、時代によってお客さんも入れ替わっていると思います。
■新型コロナが与えた影響
ーーやはりコロナの影響は大きいですか?
齋藤訓之氏:
家から出ないパターンが定着してしまったので、リアルのお店としてはつらいところですね。ファミリーレストランだけでなく、どの会社も非常につらい思いをしています。
落語家 立川志らく:
ファミレスは家族で今もよく行きます。ロイヤルホストのカレーなんかめちゃくちゃ美味しい。私あそこはカレー屋だと思ってるからね、カレーしか食べない(笑)。
でも(ファミレスは)結構潰れてますね。閉店が多い。家の周りでも行ってたファミレスが3種類全部なくなっちゃった。
ーーここ最近、急に苦境に立たされているんですか?
齋藤訓之氏:
コスト高などで、ここ10年ぐらい、あらゆる外食産業はつらい思いをしてきたところです。そこにコロナもあってお客さんが減ったという状況があります。
撤退するときは撤退して、もう一度出られるときはときは出る、というのがチェーン店の一つの力なので、減っていくという数字が出ていますが、長期的に減りっぱなしではないと思います。
コメンテーター 高橋ユウ:
ファミレスは子どもと行ったりしますけど、お子様メニューがすごく豊富だったり、おもちゃのプレゼントだったり、離乳食のような柔らかいご飯も出してくれたり、本当に便利なので、なくなって欲しくないという思いがあります。
■ファミレスの正念場 今後必要なことは?
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Food Watch Japan編集長 齋藤訓之氏:
外食で利用したいと思えるような専門性を持った店舗を増やすなど、はっきりとした強みが必要です。今後ファミレスがどのように変化していくのか期待したい。
恵俊彰:
これから巻き返しもあるんですか?
齋藤訓之氏:
あると思いますね。これまでも時代によっていろいろピンチがあったんですが、それをうまく盛り返してきた歴史があります。
(ひるおび 2022年9月6日放送より)