ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

晩立

2005年08月19日 | 通信-環境・自然

 昼間たっぷり汗をかいて、夜シャワーを浴びた後に飲むビールは、何物にも代えがたいほどに旨い。が、夏の間は、夜になっても部屋の気温が33、4度あるので、ビールを飲むと、どっと汗が噴出す。なもんで、夏の間はビールのあとのシャワーとなる。
 休肝日明けの昨日、塩コショウした鶏モモ肉とアスパラガスのソテーに、その日収穫したばかりのシークヮーサーを絞った一皿をメインディッシュにし、酒を飲む。最初の一杯はビール。この時期には珍しくシャワーの後のビールであった。
 2、3日前から朝夕涼しい風が吹く。珍しいことだと思う。「やっと朝夕は涼しくなったね」なんて挨拶は、例年だと9月の終わり頃の話だ。今年はまた、台風が少ない。先島諸島へは既に2個ばかり影響を与えたようだが、沖縄本島へは1個も来ていない。去年は観測史上最多の台風襲来であったのに、である。それもこれも温暖化などの地球環境破壊の影響なのかと不安に思う。熱帯は熱帯、温帯は温帯、寒帯は寒帯の気候が、毎年毎年、多少のぶれはあっても同じようにやってくる、ということがしだいに失われ、毎年毎年、世界のあちこちで異常気象が起き、そのうちメチャメチャになるのでは、と不安に思う。
 子供の頃、夏の気象の特徴の一つに「夕立」というのがあった。太陽がガンガン照りつける夏の日、夕方になって急に雲が湧き出して激しい雨を降らせる、なんてことがよくあった。青い空に入道雲、夕方の雷は夏の景色であったと思う。それが、そういえば最近あまり経験しない。「夕立」はもしかしたら、今の子供たちにはピンと来ない言葉なのかもしれない。そのうち、広辞苑から「夕立」は消えて、古語辞典に載るかもしれない。
 私は車以外にバイク(250cc)も持っているが、バイクは晴れた日にしか乗らない。カッパを着るのが面倒なのと、雨に濡れたバイクの手入れが面倒だからである。晴れた日の多い最近はたいていバイク通勤となっている。今週もそうであった。
 今週は仕事が忙しく、月曜日は7時過ぎまで、火曜日は8時前までの残業となった。火曜日の帰り、急に雨となった。カッパを着てのバイクは、この10年で2回目のこと。もしかしたら夕立があるかもしれないと予想はしていたが、まさか晩立(ばんだち:造語)とは思わなかった。晩立はしかし、今年は何回かある。晩立だけでなく昼立、夜中立も何度かある。ただ、夕立があまり無い。沖縄の夏の気候が変わってしまった。
 フジテレビ、日曜日朝の情報番組で、有名なコメンテーターがよく口にする「日本の常識は世界の非常識」という意味が、私にはよく解らない。「この言葉はもう何年も前に私が発明したものだ。」と彼は自慢げに言い、そして、よく使う。まあ、彼は憲法9条のことを概ね指して言っているのであろうが、国のあり方が一つの常識にとらわれる必要は無いと私は思う。その国にはその国の政治があって当然だと思う。ただ、地球環境について言えば、人類、だけでなく生物の全てが等しくその影響を受ける問題であり、人類の全てが共有する常識でもって対処しなければならないものだと思う。
 思わぬ晩立で、カッパを着てのバイク運転をやる羽目になり、たったそれだけの面倒な思いをしたというだけで、地球環境のことまで考えてしもうた沖縄のオジサンであった。

 記:2005.8.19 ガジ丸