ガジ丸が想う沖縄

沖縄の動物、植物、あれこれを紹介します。

瓦版064 マミガジの絵本4

2008年07月25日 | ユクレー瓦版

 ユクレー島にはコンクリートとアスファルトが無くて、その代わりに樹木や草花がたっぷりある。そのお陰で、ここはオキナワほど暑くない。さほど暑くは無いが、しかし、いちおう夏なので、それなりに暑い。日中、日向を散歩すると汗をかく。汗をかいた後に飲むビールは旨い。これこそが夏の良さだ。で、今日も、夕方、ユクレー屋。

 ユーナが夏休みで帰ってきてユクレー屋の手伝いをするようになってから、マミナは平日にちょこっと顔を見せる程度になっていたが、週末の今日、珍しく彼女がいる。カウンターにケダマンと並んで座って、ビールジョッキを口にしている。
 「やあ、珍しいね、週末のこんな時間に。」と声をかける。
 「うん、久しぶりにさ、絵本を書いたんだよ。」
 「あっそう。絵本、書いたんだ。それはホントに久しぶりだね。確か、前の『すまとらとらとらいだー』から、ずっと無かったね。」
 「四ヶ月振りさあ。マナの代わりに、この店を手伝っていたからね。なかなか絵本を書く時間が作れなかったさあ。まあ、アイデアも浮かばなかったんだけどね。」
 「で、新しい絵本はどんななの?」と訊くと、
 「はい、これ。」と言って、ユーナからマミナの新作絵本を渡された。表紙には料理している絵が描かれてあり、『わくわくわくせい』と題があった。
 「わくわくは、胸がワクワクするのワクワク?・・・わくせいは惑星?」
 「そういうこと。」(マミナ)
 「惑星と、この表紙の絵が上手く結びつかないんだけど。」
 「人生にはワクワクが大切だってことがテーマなのさあ。」とのこと。
 
 「ケダマンがさ、このあいだ『恋人はロボット』なんて味気無い話をしたんだよ。それで私の恋愛願望もちょっと薄まってしまったのさ。そしたら今日、マミナ先生が、それを打ち消すようなロマンチックな物語を持ってきたんだ。」(ユーナ)
 「まあね、それは偶然だったんだけどね。前から、恋愛の美しさなんてのを表現した絵本を書こうと思っていてね。書いたんだよ。ユーナが喜んでくれて、嬉しいさあ。」
     

 というわけで、今週はマミガジの絵本その4の紹介。
 絵本の題名は『わくわくわくせい』、絵はいつものようにガジ丸。

 記:ゑんちゅ小僧 2008.7.25 →絵本(わくわくわくせい)


もみじもみじか

2008年07月25日 | 通信-社会・生活

 今年(2008年)の初め頃から気になっている人がいた。職場への行き帰り、車の中から月に2、3回程度の頻度で、その人を見かけていた。それが、先々月(5月)頃からぱったりと姿を見せなくなった。見なくなってもう2ヶ月余りになる。
 その人はいつも自転車に乗っている、か、または自転車を押して歩いている。職場の近くの交差点から我が家へ向かう道の100mばかりは緩い坂になっていて、そこで見かける時はたいてい押して歩いている。押して歩いて、そして、時々立ち止まっている。立ち止まって、少し俯いて、そして、いつも軽く笑みを浮かべている。
 その爺さんは、見た感じ私の父と同年代、76、7歳といったところ。自転車も上等では無く、着ている服も安物っぽい。貧乏かどうかは不明だが、少なくとも金持ちには見えない。タクシーに乗る金が無いので自転車を使っているのかもしれない。
 その爺さんの立ち止まった後姿はどこか淋しげである。浮かべた微笑みも淋しげに見える。孤独な人かどうか不明だが、少なくとも、車に乗せてくれるような身内が身近にいないのであろう。なので、いつも自転車なのかもしれない。

 爺さんが自転車を押して歩いている坂は、去年の暮から今年にかけて道路拡幅工事がなされ、坂の勾配は、それまでより少々きつくなった。爺さんは、去年まではおそらくその坂を漕ぎ切っていたのだろう。が、少々きつくなったの”少々”が、爺さんの脚力の限界を超える”少々”だったのであろう。で、自転車を降りて、立ち止まって、
  「はぁ、俺も年取ったもんだ。こんな坂で・・・」と、我が身の体力に諦めを感じ、そして、淋しげな微笑を漏らしていたのかもしれない。
 などということを想像して、私はその爺さんのことがずっと気になっていたのだ。姿を見せないことが、爺さんのことを心配した息子夫婦に引き取られたとか、ちゃんとした施設に入ってのんびり暮らしているとかなら良いのだが、・・・そう願っている。

 先日、散歩の途中、階段のある場所まで戻るのを面倒臭がって、1mほどの段差を飛び降りた。たった1mだ。何でもない高さだ。しかし、私の膝に痛みが走った。数分休んだら痛みは和らいだが、翌日まで膝の違和感は続いた。
 たびたびケータイを携帯し忘れる。ときどき買い物リストを書いた紙を忘れて買い物に行く、など脳味噌の老化については常々、私は感じているが、体力については同年代のオジサンに比べて若い方だと思っている。週に4日は、腕立て、腹筋、懸垂を各30回、スクワットと腿上げを各300から600回やっている。しかし、それは筋力であって、骨や関節を鍛えていることにはなっていない。私の骨は確実に老化しているようだ。

 75歳以上の運転手に義務付けられたもみじマークのもみじ、初心者の若葉に対して紅葉ということなんだろう。もうすぐ落葉ですという意味も含んでいるかもしれない。
 75歳になる前に落葉してしまう可能性は多分にあるが、もしも生きていれば、それまでに私はまだ四半世紀ほどある。しかし、これまでの人生を考えると、過去の25年の3倍位の速さで次の25年はやってくるであろう。75歳まではきっと、あっという間であろう。もみじは身近だ。何ができるか?何をしたいか?自問する2008年、夏。
          

 記:2008.7.25 ガジ丸