ハンマーヘッドシャーク
植物で吃驚するようなモノに出会うことはあまり無いが、動物だとたまに出会う。先々週(12月3日)に紹介したブラーミニメクラヘビにも驚いたが、今回紹介するコウガイビルにはもっと驚いた。ミミズのようでミミズでは無い。頭の形が違う。
頭の形が本種の特徴のようで、それが名前の由来となっている。都心の土地代が高くなって、郊外にビルを建てるようになって、ビルがポツンと建っている様が本種の形に似ている、なんてわけでは無い。コウガイビルは由緒正しき日本語。
コウガイビル、ビルはヒル(蛭)のことだが、ヒルの仲間ではないとのこと。コウガイは笄で、「男女ともに髪をかきあげるのに用いる具。箸に似て、本を平たく末を細く・・・」(広辞苑)のこと。その形に似ている。コウガイビルにはいろいろあるらしいが、私が見つけたコウガイビルは、私の感覚ではハンマーヘッドシャークに似ている。
コウガイビルはコウガイビル科コウガイビル属に属する動物の総称とのこと。「陸生の渦虫類の一群」とも広辞苑にあった。コウガイビルも渦虫類も初めて聞く。見た目にも驚くが、名前を見ても、「なんじゃこりゃ?」といった気分になる。
コウガイビル(笄蛭)
コウガイビル科の渦虫類 方言名:不詳
ヒル(蛭)と名が付くがヒルの仲間では無く、渦虫類というプラナリアの仲間。見た目の印象がヒルに似ているからヒルだと思われる。コウガイ(笄)は広辞苑にあり、「男女ともに髪をかきあげるのに用いる具。箸に似て、本を平たく末を細く・・・」のこと。本種の頭部がイチョウの葉のような形で、全体が笄のような形となる。
コウガイビルは、コウガイビル科コウガイビル属に属する動物の総称で、日本には数種いるらしいが、詳細は分かっていないとのこと。
体長も5センチから1メートルと種類によってさまざま。私が見つけ、写真に撮ったものは体長10センチほどであった。沖縄にも数種生息し、そう珍しいものでは無く、石の下など暗く湿った所を探せば見つかるらしい。私は写真に撮ったものが私の初めてのコウガイビルだと思ったのだが、それまでにもたぶん何度か見ていたに違いない。子供の頃からモノをよく観察する性格では無かったので、ミミズだと思ったに違いない。
肉食で、土壌の微生物やミミズや陸産貝を食べる。人体への害は無い。
記:ガジ丸 2010.11.23 →沖縄の動物目次
参考文献
『ふる里の動物たち』(株)新報出版企画・編集、発行
『沖縄大百科事典』沖縄大百科事典刊行事務局編集、沖縄タイムス社発行
『沖縄身近な生き物たち』知念盛俊著、沖縄時事出版発行